トンネルほど運転者にとって怖い場所はありません。なぜならトンネル工事には犠牲者がいるものと、我々の深層心理に刷り込まれているからです。そう、トンネルは数多の死霊が住む、あの世への入り口なのです。そんなトンネルにまつわる不思議な現象を紹介しましょう。

目次

  1. トンネルでの不思議な現象5選

トンネルでの不思議な現象5選

あなたは経験したことがありますか?トンネルでの不思議な現象5選
(画像=『CarMe』より引用)

その①:恐怖!トンネルで聞こえる轟音

トンネルを走行していると、まず気になるのがロードノイズです。これはトンネルという閉鎖された空間で、車両の走行音がトンネルの内壁で反射・増幅されているからです。

そんなロードノイズとは別に、大型動物の唸り声が一定の間隔で聞こえるトンネルが、日本全国には存在します。日本にはまだ一般的には知られていない、大型の野生動物が生息しているようです…という未確認生物系の話ではありません。

日本のトンネルには距離に応じ、トンネル内の換気のために一定間隔で大型扇風機(ジェットファン)を設置することになっています。通常はトンネル内の天井から吊り下げられています。

長距離のトンネルでは意図的に送風しなければ、排気ガスや微細粒子によりトンネル内で大気汚染が発生し、健康被害を起こしかねません。また車両火災の際には、煙をトンネル外に逃がすこともできます。

大型扇風機の風速は30m前後で、大型台風並み。大型動物の唸り声のように聞こえるのも無理がないほどの強力なモーターが、トンネル内の安全維持のため作動しているのです。

その②:怪奇!速度を落とすトンネル

トンネルに入ると、なぜか速度が落ちませんか?この不可思議な現象を、ほぼすべてのドライバーが経験しています。これはトンネル内に住まう悪霊があなたの行く手を妨げているから…ではありません。

視界の開けている場所から狭いトンネルに入ると、ドライバーは慎重になり無意識のうちにアクセルを緩めます。これはトンネル内が暗く見通しが悪くなるためと、トンネルの内壁が人の視覚に強い刺激を与え閉所感を感じさせることによる、ドライバーの恐怖感が原因です。

トンネル内走行に慣れるまで慎重な運転になってしまうのは、仕方のないことなのかもしれません。

その③:驚異!突然姿を消しては現れる先行車

トンネルから出るとき、先行車が突然消えてまた現れるという現象を経験したことはありませんか?これは先行車が異次元ポータルによって消えているから…ではありません。

こちらも人の視覚の問題で、車両の色と周囲の景色の色が同じ色調や彩度になると、一瞬だけ先行車と景色の見分けがつかなくなるのです。これを蒸発現象と呼びます。目がトンネル外の環境に慣れてくると、元通り先行車を識別できるようになり、ふたたび姿を現したように見えるのです。

日中の天気の良い時なら白やシルバー系統、夜間なら黒系統、雪の日なら白と、時間帯や天気によって消える色は変わります。

その④:変異!突如幅寄せする併走車の運転手

片側2車線の高速道路でトンネルに入ると、併走する車が突如、人が変わったように幅寄せをしてくることを体験した人も多いでしょう。これはトンネル内の悪霊にその運転手が憑依されたから…では、もちろんありません。

トンネルに入るとドライバーは、壁が迫ってくるように見えるため、無意識に速度を落としがちになるだけでなく、壁にぶつからないよう逃げようとします。そのため併走車が幅寄せをしてきたように感じるのです。

また人には危険な物を目にすると、そこから目が離せなくなり、かつ引き寄せられるという性質もあります。これを視覚の吸引効果と呼びます。トンネル内壁から車両を離した運転手は、今度はぶつかりそうなくらい接近した隣車線の車両に目が引き付けられ、さらなる幅寄せにつながるというわけです。

トンネルに進入する際には、並走する車に気をつけて、できれば同時に入らないようにしたいですね。

その⑤:不可思議!急に止まって見える先行車

トンネル内で先行車が急に静止し、つられて自車も静止したように感じたことはありませんか?これはトンネルの内部が異次元空間につながっているから…なわけがありません。

人がスピードを感じるのは、周囲の景色が後方に流れるからです。しかしトンネルの内部はほぼセメント、ときおり非常口がある程度。目立って後方に流れるようなものはありません。そのため、同じ速度で走行する先行車と自車は止まったように錯覚するのです。

実際には80km/h程度は出ているので、油断は禁物です。

提供元・CarMe

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