東京芸大の見解

またBusiness Journal編集部は、東京芸大に直接、ピアノ撤去の意図などについて質問し、以下のとおり回答を得た。

――なぜピアノを撤去せざるを得ないほどの財務状況となっているのでしょうか?

音楽学部器楽科弦楽専攻(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、 ハープ)の研究室が所属学生に対し、「練習室ピアノ撤去について」というお知らせを行ったのは事実です。

理由としては、電気代高騰等の影響により、大学全体として経費削減を進めていますが、音楽学部では保有台数が多く、調律代等の維持費がかかるピアノについて、設置場所や台数の見直しを行いました。

お知らせをした当該練習室は器楽科弦楽専攻の練習室であり、大型弦楽器(チェロ、コントラバス等)の練習にはピアノが無いほうがスペースを確保でき、練習がしやすいことと、設置されていたピアノは主に副科ピアノ(副科は自分の専門以外の実技授業であり、副科ピアノはピアノ専攻以外の学生が履修する)の練習用に設置されたものであり、その台数は学部内で十分確保されていることから、当該練習室からピアノを撤去したものです。

よって、ピアノ専攻の学生はもちろん、他専攻の学生に対してもピアノの練習環境に影響を与えるものではありません。

――ピアノは所有物ではなく、リースなど固定費がかかっているということでしょうか? また、ピアノ撤去によって、どれほどの経済効果が見込まれるのでしょうか。

ピアノは購入物品であり、調律費等の維持費が発生します。今回の撤去は、維持費削減のほか、練習室内のスペース確保などの効果を見込んでいます。

――撤去されるピアノの使用率などからの判断ということでしょうか。

上記のとおりです。

――図書購入費なども削減が見込まれるとありますが、音楽科のみならず、ほかの科でも同様に財政は悪いということでしょうか。

電気代高騰等の影響により、大学全体で経費削減に取り組んでいます。

――藝大基金など、弊サイトで一般読者にアピールしたいことなどはありますか。

本学における教育研究活動等の支援のため「藝大基金」へのご寄附をお願いいたします。

偏差値は美術学部で65前後、音楽学部で57.5前後、入試倍率は美術学部で10倍以上、音楽学部で3倍強となっており、芸術大学としては日本トップレベルの超難関だが、近年の少子高齢化などの影響もあり、受験者数は減少傾向にある。日本の芸術を奨励するために、関心のある方は基金への寄付を検討してみてはいかがだろうか。

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
地元住民も疑問…西八王子、本当に住みやすい街1位の謎 家賃も葛飾区と同程度
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?