今月20日、米・オレゴン州で、2つの顔を持つオスの子ネコが誕生しました。
名前も2つ付けられており、ビスケットとグレイビーと命名されています。
飼い主のカイラ・キングさんがFacebook上に投稿した写真は、またたく間に注目を集めました。
なぜ顔が2つに?
ビスケット・グレイビーは、3匹の兄弟ネコと一緒に生まれましたが、体がずっと小さく、左右の半面に顔を一つずつ持っていました。
目は全部で4つ、鼻と口は2つずつあります。
これは非常にめずらしい症状で、「ジプロソープス(顔面重複奇形)」と呼ばれます。
その原因は専門家の間でも議論が続いていますが、最も有力なのは、「ソニック・ヘッジホッグ(SHH)」というタンパク質が関係するという説です。
SHHは、胚の発生時に重要な役割を果たし、手足や脳構造など多くの身体器官の形態形成に関わります。このSHHが異常分泌することで、ジプロソープスが生じると言われています。
特に稀なケースとして、頭蓋内の脳も重複することがあるようです。これまでに、ヤギやブタ、鳥類、それから人でも数例ほど確認されています。
願い叶わず…
生後2〜3日のビスケット・グレイビーは、食欲も十分にあり、とても健康体に見えました。
カイラさんは、23日に、「私たち一家はこの子のために最善を尽くしています。彼も懸命に生きようとしています。皆さんの応援に感謝します。彼はとても幸運な子ネコです」とFacebook上でコメントしていました。
しかし、顔を2つ持つことは、ビスケット・グレイビーの小さな体には非常に負担がかかるものでした。獣医師も「してあげられることはほとんどない」と話していたようです。
結局、一家の願いは叶わず、ビスケット・グレイビーは25日に短い生涯を終えました。
下の画像は亡くなる1時間前のビスケット・グレイビーです。
カイラさん一家は「彼が5日近くも生きてくれたことは、十分に奇跡的なことでした。皆さんから頂いた暖かい応援や親切心は決して忘れません」とコメントを寄せています。
提供元・ナゾロジー
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