無料サービス、じわじわと経営を圧迫

 食材の仕入れ価格が上昇するなか、店側にとって無料で料理を提供するサービスというのは、結構な負担になっているのか。また、負担が大きくても店が無料サービスを提供する理由は何なのか。

「無料で提供するサービスについては、通常であれば収益的には許容の範囲であることが多いです。お米を例にして考えてみます。生のお米1合の重さはおよそ150グラム。お店で提供される1人前のライスに約0.5合使用するとします。お米の価格が上がっている現在、スーパーで売っている安めのお米は5キロで3000円くらいです。お店は通常10キロや30キロで米を仕入れるところが多いですが、キロ数が大きくなると価格のバラつきも大きくなるため、一般の方が馴染みある5キロで計算してみます。約66人前で3000円ですから1食あたり約45円。今まで5キロ2000円以内で買えたときは約30円でしたので、じわじわと経営を圧迫し始めています。1000円で売っている商品に無料サービスとして45円分の商品を付けると、原価率が4.5%アップになるので、経営に影響がないとはいえなさそうです。ですので、残された場合に、やるせない気持ちや怒りの気持ちを抱くかもしれません。

 お店が無料サービスを行うのは、お客さんに喜んでもらう→来店動機につながる→売上が上がるという効果があるからです。提供したサービスが売上アップというかたちで返ってくることを期待して無料サービスをしています。期待していない結果になったり、想定外の行動をとるお客さんもいるでしょう。物価高で原価率が悪化し利益がじわじわ減ってしまっているなか、店側がやるせなさや怒りが滲み出る投稿をしてしまうこともあるでしょう。SNSに投稿する前には、面倒なことに巻き込まれないためにも冷静に文面を読み直してみることが大事だと思います」

(文=Business Journal編集部、協力=江間正和/東京未来倶楽部(株)代表)

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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