男児には、通常のペニスと肛門の間の領域である「会陰(えいん)」に長さ2センチの小さな亀頭が付いていたという。

さらに陰嚢(いんのう)の真下にも長さ約1センチほどの亀頭が見られました。

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「ペニスが3つある」生後3カ月の男児が画像 / Credit: Shakir Saleem Jabali et al., International Journal of Surgery Case Reports(2020)

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この前例のない症例から報告したチームは、ペニスが3本ある先天異常のことを「トリファリア(Triphallia)」と呼んでいます。

幸いにも、男児の余分な2つのペニスは外科手術により無事に除去することに成功しています。

これが過去に唯一確認されているトリファリアの例でしたが、78歳の男性の症例はこの男児とはまた違った状態にありました。

余分な2本のペニスは中に隠れていた

先の男児の例では3つのペニスが外部に露出した状態でしたが、今回の男性の遺体では正規のペニス以外の2本は陰嚢の中に隠されている状態でした。

ペニスが複数形成されるディファリアは約500万〜600万人に一人の割合で起こるとされていますが、その大部分は余分なペニスが外部に露出しています。

この男性のように陰嚢を含む皮膚の下に隠れているケースは、研究者が調べた中でも6件しかありませんでした。

男性は生前に、排尿や勃起機能、生殖能力に特に異常を報告していなかったと見られることから、本人も自らのペニスが3つあることには気づいていなかったようです。

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男性の性器の断面図(5・6が余分な2つペニスの断面図、7が正規のペニスの断面図) / Credit: John Buchanan et al., Journal of Medical Case Reports(2024)

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ところが解剖の結果、陰嚢の中に隠された余分なペニスは通常と同じ「海綿体組織」が確認できました。