コバルト短編小説新人賞や氷室冴子青春文学賞大賞を受賞し、本格デビュー作となった『ブラザーズ・ブラジャー』で注目を集めた作家、佐原ひかりさんの新刊『鳥と港』が5月29日(水)に発売されました。

新鋭作家が“新世代の働き方”を描くという長編小説。タイパ重視の時代に、スローで温かな“手紙”を軸にしたコミュニケーションで物語が紡がれます。

退職からひと月、1通の手紙からはじまる物語

「部署の飲み会、上司への気遣い、上辺だけの人間関係ーーあらゆることに限界が来たとき、職場のトイレから出られなくなったのだ。」

新卒で入社した会社を辞め、次の仕事を探せないでいる主人公はある日、公園で1通の手紙を見つけます。

その手紙に返事を書いたことで、無職の主人公と不登校の高校生の文通が始まります。それぞれの事情を話しながら「文通」を「仕事」にすることを考えついたふたりは、クラウドファンディングに挑戦することに……。

佐原ひかりさんは、図書館司書として働きながら多数の連載を抱える兼業作家。自身の経験から描かれた“新しい時代を生きる世代”の働き方の物語だといいます。

仕事とは、働く目的とは、好きなことを仕事にできるのか……読者にとって仕事観を見つめなおすきっかけになるという1冊です。

著者プロフィール

佐原ひかり

1992年兵庫県生まれ。2017年「ままならないきみに」でコバルト短編小説新人賞受賞。19年「きみのゆくえに愛を手を」で氷室冴子青春文学賞大賞を受賞し、2021年、同作を改題、加筆した『ブラザーズ・ブラジャー』で本格デビュー。著書に『ペーパー・リリイ』『人間みたいに生きている』、共著に『スカートのアンソロジー』『嘘があふれた世界で』がある。

書籍情報

『鳥と港』

著者:佐原ひかり

定価:1,870円(税込)

発売日:2024年5月29日(水)

<参照>

佐原ひかり『鳥と港』発売! 大注目作家が描く、“これから” の働きかたの物語