トニー・ポポヴィッチ監督 写真:Getty Images

 10月15日に行われたFIFAワールドカップ(W杯)アジア最終予選の日本代表対オーストラリア代表(1-1)だが、同試合前、オーストラリアに混乱があり物議を醸していたようだ。

 オーストラリアは高速道路で起こっていた交通事故により、試合会場への到着が大幅に遅れ、スタジアム到着はキックオフ1時間前となった。ウォームアップの時間はわずか28分しか取れなかったが、マッチコミッショナーはキックオフの遅延を拒否したという。日本側もオーストラリアの不利を考慮し試合開始を遅らせるよう要請したが、この要求も却下されたとのこと。

 試合開始前、オーストラリアで放送を行っていたテレビ局『Paramount+』のロビー・トムソン氏は「この状況は信じられない。こんな重要な試合でこのようなことが起きるとは…」とコメントした。

 オーストラリアの著名なスポーツジャーナリストのヴィンス・ルガリ氏はX(旧Twitter)で、「日本が我々を粉砕するかもしれないが、それにしてもこの状況はスキャンダラスだ。アジアサッカー連盟(AFC)は責任を問われるべきだが、もちろん何もしないだろう」と非難。

 また、他のユーザーもSNS上で「日本が試合を遅らせようと要求した事実が最大の冗談だ」「オーストラリア代表がスタジアム到着から35分で試合開始は絶対におかしい」とコメントし、決定に対する批判が相次いだ。

 試合後、オーストラリアのMFジャクソン・アーヴァイン(ザンクトパウリ)は「自分たちではどうしようもない状況の時は、ただやるしかない」と述べ、スタッフの準備を称賛した。

 オーストラリアは勝ち点1を手土産に帰国したが、万が一負けていた場合は、再試合を要求していた可能性も否定はできないだろう。