かつて鹿島アントラーズで活躍していたブラジル人MFセルジーニョは現在、中国1部・長春亜泰に所属。2025年1月にも帰化し、中国代表に招集されることが濃厚だという。
同選手は2020年1月に鹿島から長春へ完全移籍して以降、4年以上にわたり中国でプレー。負傷により長期離脱を余儀なくされる時期もあったが、2023年3月に長春と新たに3年契約を締結。今季はここまで中国1部リーグ21試合の出場で7ゴール6アシストと結果を残している。
一方、中国サッカー協会(CFA)はFIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選前から帰化戦略に注力。9月5日開催の日本戦では、FWフェルナンジーニョ(山東泰山)など4名の帰化選手がピッチに立ったが、チームは0-7と大敗。後半途中に帰化選手同士で激しく言葉を交わすなど、連係不足を露呈していた。
10月15日開催のインドネシア戦で、ようやく最終予選初勝利を収めた中国。同国メディア『トゥナイト』が17日に報じたところによると、CFAは北中米W杯出場にむけて、セルジーニョなど複数選手の代表招集を再度計画。これによると、セルジーニョについては本人がすでに帰化の意向を固めているほか、長春もこれを容認。2025年1月で「中国での居住期間が5年以上」という帰化の条件を満たすため、同年3月以降の最終予選4試合で代表チームに招集される見込みだという。
また『新浪』は「CFAは最終予選開幕から3連敗を喫したことにより、帰化計画が棚上げされた」とリポート。複数選手の帰化を後押しするための条件として「11月のバーレーン戦で勝利」を挙げた上で、「ホーム開催の日本戦で勝ち点を獲得するのは難しい。2025年3月以降の4試合が勝負」と先を見据えている。
中国は4試合を終えて1勝3敗とグループ最下位に低迷。W杯本大会出場圏内の2位オーストラリアと勝ち点2差とはいえ、国内では帰化戦略に対する疑問の声や、代表チームの戦いぶりに対する批判が湧き起こっている。また2024年9月には国内リーグでの八百長や賭博が発覚。CFAが70名以上の選手や指導者の処分を公式発表するなど、中国サッカー界が揺れているだけに、セルジーニョの中国代表入りが本人にとってプラスになるか疑わしい。