日々車を利用する人にとって、高速道路料金は大きな出費のひとつ。実は、貯めたポイントを有料道路の支払いに使える「ETCマイレージサービス」というものがある。日々の生活がお得になるシステムを紹介しよう。

ETCカードではクレカとマイレージサービス、二重にポイントが貯まる

料金所で足止めされることなく有料道路を出入りできるETC。その通行料金を決済するETCカードは基本的にクレジットカードに紐づけられているため、クレジットカードのポイントが貯まることもメリットだ。

さらに、あまり知られていないがETCカードにはマイレージサービスがある。登録料・年会費は無料。利用を申し込めばクレジットカードのポイントとは別にポイントが貯まり、有料道路の通行料金に充てることができる。ポイントによっては、ポイント還元額だけで高速道路に乗ることもできるのだ。

マイレージサービスの仕組みと利用方法 ポイントを通行料金に充てられる

ETCマイレージサービスの仕組みと利用方法を紹介していこう。今回はETCカードを持っていることを前提に説明する。

登録の方法はネットか郵送

ETCマイレージサービスを利用するにはネットか郵送で登録する。ネットの場合はETCマイレージサービスの公式サイトから手続き。郵送の場合は高速道路のSA・PAなどで配っているパンフレット(登録申込書)で申し込む。

郵送では登録完了までに日数がかかることもあるが、ネットの場合は当日の走行からポイントが貯まる。

登録する情報は名前と生年月日、住所、電話番号。加えてETCカード番号と有効期限、車両番号(ナンバープレートの4桁)、車載器管理番号(ETC車載器の19桁)も必要となる。登録するETCカードの名義人と申込者は、一致してなければならないのが注意点だ。

登録が完了すると、マイレージIDとパスワードが記載されたお知らせが郵送されてくる。以降は、ネットのマイページから各種手続きや利用履歴の確認ができる。

ポイントの貯まり方 道路事業者によって還元率が異なる

マイレージサービスに登録したETCカードで、対象の有料道路を利用すると通行料金に応じてポイントが貯まる。料金に割引が適用された場合は、割引後の料金に応じる。

登録車両以外でも、登録済のETCカードを利用すればポイントが貯まる。ただし、ETC車載器を譲り受けたり、ETC車載器付の中古車を購入したりした場合など、前オーナーのETCマイレージサービス登録が残っているとエラーが発生するため、別途手続きが必要だ。

ポイントは各地の道路事業者ごとに貯まる。一部の事業者間(NEXCO東日本・中日本・西日本、宮城県道路公社)を除き、合算できない。複数のETCカード間でもポイントの合算はできない。

ポイントの貯まり方は道路事業者により異なる。NEXCO東日本・中日本・西日本、宮城県道路公社、本州四国連絡高速道路株式会社は10円につき1ポイントが貯まる。一方で神戸市道路公社は50円につき3ポイント、名古屋高速道路公社、愛知県道路公社、広島高速道路公社、福岡北九州高速道路公社は100円につき1ポイントと還元率が異なる。

ポイント還元率

道路事業者 ポイントがつく利用料金の単位 還元ポイント
NEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社 10円 1ポイント
本州四国連絡高速道路株式会社 10円 1ポイント
名古屋高速道路公社 100円 1ポイント
愛知県道路公社 100円 1ポイント
神戸市道路公社 50円 3ポイント
広島高速道路公社 100円 1ポイント
福岡北九州高速道路公社 100円 1ポイント

ただ、神戸市道路公社、名古屋高速道路公社、愛知県道路公社、広島高速道路公社、福岡北九州高速道路公社は利用ごとにポイントが付与されるだけでなく、月間利用額に応じてポイントがさらに加算される。

ポイントの使い方 自動的に還元されるサービスも用意

ポイントには有効期限がある。ポイントが付与された年度(4月~翌3月)の翌年度末が期限だ。ポイントは一定の交換単位で交換ができ、通行料金に充てられる。交換レートは下記の通り。

ポイントと還元額

道路事業者 ポイント交換単位 還元額
NEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社 1,000ポイント 500円分
3,000ポイント 2,500円分
5,000ポイント 5,000円分
本州四国連絡高速道路株式会社 1,000ポイント 500円分
3,000ポイント 2,500円分
5,000ポイント 5,000円分
阪神高速道路株式会社 100ポイント 100円分
名古屋高速道路公社 100ポイント 100円分
愛知県道路公社 100ポイント 100円分
神戸市道路公社 200ポイント 100円分
広島高速道路公社 100ポイント 100円分
福岡北九州高速道路公社 100ポイント 100円分

還元の手続きは、公式サイトのマイページや、自動音声ダイヤルやETCマイレージサービス事務局への電話で申し込める。また、所定のポイントが貯まると自動的に還元されるサービスも用意されている。

ポイントを還元したら参画するすべての道路事業者で利用でき、有効期限もない。ポイントを還元した後は利用のための手続きは不要で、優先して使われる。なお、還元による支払いにはポイントはつかない。

平日朝夕の割引も受けられてお得

一部の有料道路では、平日朝夕の通行料金がポイントの還元にて割引される。割引の対象となる道路はNEXCO東日本・中日本・西日本が管轄する地方の高速道路と、宮城県道路公社の仙台松島道路。ただ、NEXCOでは東京・大阪の近郊は対象外としている。

割引率は、1ヵ月間の利用回数に応じて変わる。5~9回なら最大100km相当分を約30%割引、10回以上なら約50%割引。その割引額分が翌月20日にポイントして還元され、通行料金の支払いに充てられる。

ETCカードを使っているならぜひ登録を

ETCマイレージサービスは、ETCカードを持っている人にとって登録必須と思っていいほどお得。登録料も年会費もかからないのだから、登録しない理由はないだろう。

文・モリソウイチロウ(ライター)
 

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