アマゾンで商品を購入したものの、配送ミスにより当該商品が届かなかったため、返金を求めたところ、利用停止を警告するようなメールが届いた、との報告がX上で投稿され、大きな話題になっている。消費者側に落ち度はないように思えるが、なぜこのようなことが起きるのだろうか。
10月14日、X上に「配送先間違えたお前らに責任があるのに何様だ」と怒りのつぶやきとともに、アマゾンから送られてきたとみられる“警告文”の写真が添付されている。その警告文には、以下のように記載されている。
「先日、お客様のアカウントの注文状況について確認いたしました。注文履歴によると、お客様から配送の問題があったとのご報告を受けている最近のご注文の商品について、返金を申請されていることがわかりました。
紛失したとのご連絡をいただいたご注文について調査いたしました。このご注文の配送業者より、商品は到着済みであるとの確認がとれました。
こうした異常なアカウントアクティビティが見受けられた場合、当サイトではケースバイケースで各アカウントを確認し、追加の措置やアカウントの閉鎖が必要かどうかを判断しております。同様の問題が引き続き発生する場合には、当サイトでの購入を停止する可能性があります」
つまり、商品が届いていないから返金を求めたところ、配送会社は「配送済み」と答えたため、さらに苦情を申し立てる場合には利用を停止する可能性がある、と警告してきたわけだ。この投稿者によると、商品はポスト投函だったため、正しく配送されたかどうかの確認は困難だという。この投稿は15日時点ですでに1000万回以上表示され、SNS上で波紋を広げている。
配送業者のミスで別の家のポストに投函していたり、ポストから盗難被害に遭った可能性も否定はできない。このような場合、利用者側は泣き寝入りするしかないのだろうか。ネット通販などの問題に精通する弁護士は、配送業者が「配送済み」と回答した場合には返金されないケースが多いという。
「最近はネット通販が飛躍的に普及して、宅配業者の荷物取扱量が激増したことや、働き方改革でドライバーの残業時間が規制されたことなどから、再配達を減らすために置き配を利用する方が増えています。通販のプラットフォーム側もデフォルト設定で置き配にしていることもあります。それに伴い、置き配の盗難事故も増えています。この置き配で商品が盗難被害に遭った場合、誰が責任を取るのでしょうか。原則は利用者とされています。ですから、置き配を利用したい場合、盗難被害に遭わないために、宅配ボックスを設置したり、コンビニ受け取りにするなど、利用者側で対策を取る必要があります。ポスト投函の商品であっても、郵便受けに施錠するなどの対策をしていない場合、原則として利用者側の過失とみる傾向があります。
ただ、アマゾンは置き配で盗難被害に遭った場合、全額補償を打ち出していますし、ポストからの盗難の場合でもアマゾンが補償するケースが多いようです。今回、注目されている投稿は、アマゾンが補償せずに、あたかもお客をクレーマー扱いするかのように“利用停止”をちらつかせたことで関心が高まったとみられます。この場合、あらためてアマゾンに連絡を取り、別の担当者に相談するのが得策かと思いますね。実は、アマゾンは担当者によって対応が異なることがあるといわれています。一度返金を断られても、別の担当者に相談したら補償を受けられたということもあるようです」
確かに、アマゾンの公式サイト上で、商品が届かない場合には補償する旨が記載されている。商品が届かない、もしくは届いたと思われるが盗難被害に遭った、といった場合には丁寧に相談してみよう。高圧的な態度で苦情を言うと、クレーマー扱いされて利用停止といった措置をとられるおそれもあるので要注意だ。
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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