<TOP画像:雲呑麵(乾麺)の写真>
昔から麵文化が根づいている香港。朝ご飯を食べる習慣のない香港では朝食でもインスタントラーメンが食されます。意外なところでは、日清食品の出前一丁が香港市民に広く親しまれているのは香港通にはよく知られています。
今回は、そんな香港の代表的な麺のほんの一部をそのお店とともに紹介させていただきます。こんなにバリエーションが豊富でおいしい香港ヌードルの世界。香港で食べなきゃ、ですね。
目次
香港のヌードル文化
美食大国といわれる香港には華やかな中華料理の裏側で、ひっそりと、しかし確固とした地位を築いている料理の分野があります。それが今回ご紹介する麺、ヌードルです。(ちなみにもう1つはお粥でしょうか)
料理としてはとても庶民的な麺ですが、実に味わい深く、気取らずに手軽に食べられるということで、古くから香港人の生活に根ざし、彼らの食を支えています。 またその麺の種類も米線、河粉、幼麺、油麺などいくら書いても書ききれないほど、豊富です。
また、香港ではほとんどのお店で具も麺も自分の好みに合わせて自由に選べます。とてもオーダーメイドな香港ヌードルの世界、そんな世界をほんの少しだけでも垣間見ていただければ幸いです。
米線(譚仔雲南米線 Tamjai Yunnan Mixian)
<お店:置富都會店>
<具は揚げ豆腐、レバー、湯葉、スープは重慶酸辣(スーラ)味>
独特のモチモチとした食感とツルツルとしたのど越しが特徴の米線。この米線のお店を香港で展開する代表的なチェーン店が譚仔雲南米線です。なお兄弟チェーンである譚仔三哥米線はすでに東京に進出して店舗を展開しています。
譚仔雲南米線は四川の辛味スープ「麻辣(マーラー)」のほかいくつかのスープと麺を組み合わせ、トッピングを自由に選べる「カート麺」をコンセプトとしています。店内は黄色を基調にした明るいポップ調のデザインで、香港の若者からも人気のチェーン店です。
譚仔雲南米線 置富都會店
- 住所:都會道6號置富都會7樓743-744號舖
- 電話番号:+85231677900
- 営業時間:10:00~21:00
雲吞麵(麥文記麵家 Mak Man Kee Noodle Shop)
<外観>
<ワンタン麺>
<菜花>
佐敦にある麥文記麵家は1958年創業の60年以上の歴史を持つ老舗の雲吞麵(ワンタン麺)のお店です。2023年、2024年にはミシュランのビブグルマンも獲得しています。
蝦が新鮮な雲吞は、ぷりぷりっとして、とても食べごたえがあります。麺はテーブルにあるチリオイルやお酢をお好みでかけるとさらに味が引き立ちます。
サイドメニューには油菜(香港式茹で青野菜)をどうぞ。なかでもあまり他のお店ではお目にかからない菜花がおすすめです。
麥文記麵家
- 住所:香港白加士街51號地下
- 電話番号:+85227365561
- 営業時間:12:00~0:30
魚片河(江仔記粉麵專家Kong Chai Kee)
<外観>
<魚片河>
<通菜>
銅鑼灣にある自家製の魚蛋(フィッシュボール)や魚片が人気のお店です。魚片は揚げてあるので、さつま揚げに近いすり身です。ちなみに魚蛋は、表面はなめらかながら、噛むとぷりっとした食感が特徴です。
麺は香港版きしめん、河粉がおすすめ。食べ応えもあり、ちょうどいいボリュームです。なおサイドメニューの油菜(香港式茹で青野菜)には空芯菜をお試し下さい。
ピンクのタレは腐乳をニンニク油で加熱したものらしいです。不思議な旨味はクセになります。
江仔記粉麵專家
- 住所:堅拿道東2號地舖
- 電話番号:+85228935617
- 営業時間:9:30~21:30
車仔麵(麵尊)
<外観>
<車仔麺>
<車仔麺の注文用紙>
香港がまだ貧しかった1960年代、「車仔(リヤカー)」の屋台でスープと麺のうえに具を乗せて売ったことに起源を持つと言われている車仔麺。 車仔麺の注文の仕方はとても簡単です。
テーブルの上に置かれた注文用紙に自分が食べたい麺と具をペンでチェックして店員に渡せば完了です。ぜひオーダーメイドなオリジナルの麺を注文してみて下さい。
今回ご紹介するこの麺尊は車仔麺のお店とは思えないおしゃれな雰囲気で、若者にとても人気のお店です。
麵尊
- 住所:銅鑼灣登龍街18號 V Point 地下5號舖
- 電話番号:+85223263062
- 営業時間:月-金 11:30~22:00 土日12:00~22:00
出前一丁(澳門咖喱王清湯腩)
<外観>
<出前一丁とトッピングは目玉焼きとランチョンミート>
日清食品のインスタントラーメン「出前一丁」はその坊や、清仔とともに長年にわたり香港市民に親しまれています。日本では夜食のイメージが強いインスタントラーメンですが、冒頭でも触れました通り、香港の多くの茶餐廰(いわゆる大衆食堂)では朝食の定番メニューになっています。
今回、紹介するお店は、私の事務所の近くにあるお店で、早朝6:00開店、朝から出勤前の人たちで賑わっています。
澳門咖喱王清湯腩
- 住所:牛頭角道315號地舖
- 電話番号:+85237021838
まとめ
「麺大国」という言葉があるかどうかは別として、香港は麺において、その「麺大国」に成り得るバリエーションと質の高さを持っています。
昔からの麺専門店やチェーン店など、各店が共存し、しのぎを削っているので、どのお店も甲乙つけがたいクオリティです。そのため、どんな人でも、きっとお気に入りのお店が見つけられることは請け合いです。
今回、そんな香港の麺をお店とともに紹介させていただきました。一見入りにくそうな店構えのお店もありますが、勇気を出して一歩踏み入れて、現地で自分のお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。
この原稿が少しでも皆さんのそのきっかけになればと思っています。そして、その一歩があなたの麺魂に火をつけることは間違いありません。
文・写真・H.Kawa/提供元・たびこふれ
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