国立競技場 写真:Getty Images

 2024年の明治安田Jリーグも終盤を迎え、優勝や残留、昇格争いが激しさを増している。J1は20クラブのうち13クラブが33節を消化(台風の影響で7クラブが一部未消化)。各クラブリーグ戦が残り5試合から6試合(2試合未消化の浦和レッズは7試合)となっている中、平均観客動員数は好調だ。このままいくと、2019年に記録したJ1歴代最高記録となる1試合あたり2万751人を超える可能性もある。

 Jリーグデータサイトによると、第33節終了時点のJ1平均観客動員数は1試合あたり2万132人となっており、既に2万人を超えている。2019年のJ1は18クラブ、34節のためそれに比較すると今季は試合数増加の影響で単純比較はできないが、優勝や残留争い、最終節など集客の見込まれる試合を多く残しているだけに記録更新に期待がかかる。その要因は非常に多く挙げられるが、今回は3つをピックアップする。

 1つ目は、東京ヴェルディの16年ぶりのJ1昇格が挙げられる。同クラブは2023年のJ1昇格プレーオフ決勝で清水エスパルスと引き分け、年間順位のアドバンテージでJ1に昇格。16年ぶりのJ1の舞台で現在(33節終了時点)で8位に位置している。久しぶりのJ1での戦いや4連勝などの影響による1桁順位ということもあり、東京Vのホームゲームにおける平均観客動員数は2万160人を記録。2023シーズンの7982人から2.5倍以上の数字を叩き出している。

 2つ目の要因として、サンフレッチェ広島の新スタジアム(エディオンピースウィング広島)の使用開始が挙げられるだろう。2024シーズン、同クラブのホームゲームの1試合あたり平均入場者数は2万5468人となっている。昨年の1万5717人から約1万を超えており、こちらも驚異的な増加となっている。

 3つ目の要因には、大規模招待の影響が挙げられる。J1は2月から3月の開幕期、4月下旬から5月中旬のゴールデンウィーク前後の期間、そして7月1週目から9月1日までの夏休み前後に大規模招待企画を実施。また、国立競技場開催のゲームは「THE国立DAY」と称し、こちらでも10000人を招待し、11月9日に行われる町田ゼルビア対FC東京戦を除いた11試合を消化している。中でも、7月13日に行われたFC東京対アルビレックス新潟では5万7885人の入場者数を記録し、国立競技場のJ1リーグ戦最多となった。