明治安田Jリーグは2019年に1チームにおける外国人選手の登録数の上限を撤廃。以降、J1は最大5人、J2とJ3は最大4名まで外国人選手を試合に出場させることが可能となっている。さらに、タイやベトナムなどのJリーグ提携国の国籍を持つ選手はこれに含まないため、外国人として扱われないというルールが適用されている。
そんなJリーグではブラジル人をはじめ、ノルウェーやスウェーデン、ポルトガルなど様々な外国籍の選手がプレーしているが、多くの外国人選手達は税金対策のため、契約期間を調整するなど、様々な契約の結び方をしているとのこと。
Jリーグクラブやエージェントなどに詳しい複数の関係者によると、外国人選手はクラブと契約する際に1年契約であっても11ヶ月の契約を結んでいるという。これは11ヶ月の契約の場合、1年以上継続して日本に住居している扱いにならないため、日本で所得税を納税することが必須では無くなり、選手はそれぞれの住居国に税金を納めることが可能になる。
しかし、2023年11月にJリーグクラブに所属する複数の外国人選手が国税局から申告漏れを指摘されていたことが判明している。その中には、ヴィッセル神戸でプレーし、2024年10月に現役引退を発表した元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタも含まれていたという。
複数の税理士法人のウェブサイトなどによると、いわゆる助っ人外国人を税負担の比較的軽い「非居住者」として処理していたが、実態に照らして「居住者」に当たると認定されたことが原因のようだ。なお、住居者、非住居者の境界線は契約期間以外にも、家族と共に日本で生活しているかどうかやシーズンオフに家を引き払い、帰国しているかなども関係してくるという。
なお、Jリーグの関係者によると、外国人選手も含めた選手達はクラブが納税等のサポートをするのが基本だという。また、収入の多い選手をはじめ、個人で税理士と契約を結び、納税サポートを受ける選手もいるとのこと。2023年に国税局が複数の外国人選手の申告漏れを指摘したことで、今後助っ人外国人選手達がJリーグでプレーすることにどのような影響があるのだろうか。