上田綺世 写真:Getty Images

 フェイエノールト所属の日本代表FW上田綺世は、10月15日に行われたFIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選のオーストラリア戦でスタメン出場もノーゴール。フェイエノールトでのパフォーマンスでオランダメディアから批判を浴びることが多いものの、オーストラリア戦での内容に対しては一部で擁護されている。

 森保ジャパンの絶対的ストライカーである上田は、前半から何度もゴール前に顔を出し、相手ディフェンダーとの空中戦を展開。ポストプレーからのチャンスメイクでも存在感を発揮したが、ゴールネットを揺らせず。80分にFW小川航基(NECナイメヘン)との交代でベンチへ退いた。

 フェイエノールトの専門サイト『FR12』は試合後、上田のパフォーマンスについて「彼はオーストラリア戦で難しい時間を過ごした」と切り出すと、「守備もフィジカルも強いオーストラリアを相手に拳を振るうことができなかった。自由にアクションを起こせたとき、彼はいつも間違った選択をしていた」と切り捨てる。

 ただ一方で、日本代表FWの献身性に対しては「上田は苦戦を強いられたが、彼の仕事ぶりには何の問題もなかった」としたうえで、「強靭なフィジカルを兼ね備えるオーストラリアのセンターバック陣と競り合い続けた。そのハードワークが彼自身に何度もチャンスを生み出した」と一定の評価を与えている。

 メキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネスの負傷離脱により、フェイエノールトでようやくスタメン出場の機会を得ている上田。しかし10月2日のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ジローナ戦でのPK失敗もあり、現地の複数メディアは「上田はヒメネスの代わりにならない」などと、つねに同選手に対して手厳しい。

 オーストラリア戦でのパフォーマンスも決して満足できるものではないが、それでもオランダ方面からの珍しい評価を前向きに捉えたいところだ。