町田ゼルビア 写真:Getty Images

 町田ゼルビアは10月15日、クラブや選手、スタッフに対するSNSでの誹謗中傷に対して、刑事告訴を講じると発表。同クラブの代表取締役社長兼CEOを務める藤田晋氏が、公式サイトを通じて「もう限界」と発信したことが話題を呼ぶなか、FIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選・日本代表vsオーストラリア代表後に放送された「報道ステーション」(テレビ朝日系)の報道内容にも注目が集まっている。

 ロングスローにおけるタオル使用や、パリ五輪U23日本代表FW藤尾翔太によるPK直前の「水かけ行為」で世間の注目を浴びている町田。サンフレッチェ広島やヴィッセル神戸などとJ1優勝争いを繰り広げるなか、SNSなどを通じてクラブや所属選手・スタッフに対する誹謗中傷が相次いでいる。

 これを受けて、クラブは10月6日に加藤博太郎弁護士の顧問就任を公式発表。そして15日には「弁護士 加藤博太郎氏の顧問就任及び誹謗中傷に関する情報提供窓口設置のお知らせ」に基づく対応として、誹謗中傷に対する刑事告訴に踏み切ったことを明らかにしている。

 この町田の対応は、「ニュースウォッチ9」(NHK)や「news23」(TBS系)など、複数の報道番組でも取り上げられているが、代表戦後の報道ステーションでも特集が組まれた。

 同番組では誹謗中傷のみならず、9月28日に行われたJ1第32節・広島vs町田で広島所属の一部選手が町田スタッフの用意したタオルを濡らす行為もクローズアップされているが、町田を全面的に擁護する構成となっているだけに、ネット上では報道内容に対する疑問が続出。町田の経営権を持つ『株式会社サイバーエージェント』がテレビ朝日と共同出資で『株式会社ABEMA TV』を設立したことを根拠に、一部から偏向報道の可能性を指摘する声も挙がっている。

 依然として収束の見通しが立たない町田への誹謗中傷問題。誹謗中傷が許されないことは明らかだが、広島戦における事象については広島側のスタンスにも触れる必要があったかもしれない。