アメリカ合衆国カリフォルニア州のデスバレーと言えば、1913年に56.7度という世界最高気温を記録した、世界で最も暑い場所の一つである。ゴールドラッシュに沸いた西部開拓時代、この地を訪れた開拓者たちが多く命を落としたことから「死の谷」を意味するその名が付けられたほど、世界で最も過酷な砂漠地帯としても知られている。
そんなデスバレーには、地下都市が存在しているという伝説がある。それは、デスバレー周辺の地域に住む部族の一つであるパイユート族の伝承に残っているという。
デスバレーを聖地とする彼らには次のような伝説が残っている。数千年前のこと、パイユート族の酋長が妻を亡くし悲しみに打ちひしがれていた。彼は妻に会いたいという一心で、デスバレーにある果てしない地下洞窟を降りていったという。その途中、悪霊や猛獣、あるいは悪魔といった存在が彼に襲いかかってきたが、そうした試練を超えた先に彼は最後の試練となる、底なしの渓谷にかかる狭い石橋が眼前に現れた。
意を決して橋を渡った彼は、そこに王国が存在し、すでに死んだ部族の人々が躍り楽しんでいる情景を目にしたのだという。そして、ついに最愛の妻を見つけ出すことができ、一緒に橋を渡って帰ろうとした。ところが、橋を渡り切った彼がふと振り向くとそこに彼女の姿は無く、その場には彼一人だけが残っているだけであった。彼はことの経緯を部族の人々に語り、その地下王国は「シン・アウ・アヴ(Shin-Au-Av)」と呼ばれ信仰されたという。
こうしたデスバレーの地下王国あるいは地下都市については、実際にそれを目撃したという事例も多く残されている。最も知られているのは、1931年にF・ブルース・ラッセルとダニエル・S・ボビーの両名がデスバレーにて、洞窟とその地下にあった埋葬地(カタコンベ)を発見したという例だ。彼らはそこで、動物の皮を身に着けたおよそ8フィートほどの人間のミイラを3体発見し、また花崗岩に彫られた象形文字やエジプト・アメリカインディアンのデザインに似た工芸品もいくつかあったという。彼らは、少なくとも32のトンネルがそこにはあり、規模にして180平方マイルはあっただろうと推測している。
これらの証言が事実であれば、デスバレーの地下には、巨人たちが住まう都市が存在していた可能性が考えられるだろう。だが、彼らの報告についてはほとんどの学者が懐疑的な目を向けていた。その後、ラッセルが知人を連れてその地下都市を見せようと向かったものの、二度とその洞窟は発見できずに終わり、さらにその数ヶ月後にはラッセル自身が行方不明となってしまった。ボビーについても消息がつかめなくなったと言われている。
多くの探検家などによって、デスバレーの地下にあるという王国・都市、あるいは宝物などの報告がある。だが、結局この「シン・アウ・アヴ」は現在もなおその具体的な場所がわかっていないまま、今日にいたっている。
文=ナオキ・コムロ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
提供元・TOCANA
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