こんにちは、田澤ともきです。
8月15日は、日本では終戦記念日になりますが、2年後の1947年同じく8月15日はインドにとっても大切な日です。
インドはこの日、イギリスから正式に統治を離れ独立を勝ち取った日です。200年以上にわたる植民地生活から自由になった背景には日本の影響もあると言われています。
観光をする際に、インドは歴史を勉強すると景色が何倍にも楽しくなります。
コロナウイルスの影響は予想以上にいろいろな所に現れている中、二度とみられない今年の記念式典の様子です。
目次
ソーシャルディスタンスが守られた式典
インドはコロナにどう立ち向かうのか
植民地時代という背景
まとめ
ソーシャルディスタンスが守られた式典
毎年、独立記念日の式典が行われるのはラール・キラー(英語ではレッド・フォート)という世界遺産のお城です。首都デリーでは、モディ首相も参列し、大統領およびすべての省庁議員、自衛隊などが集まりました。
いつもならインド門からの盛大なパレードが行われるのですが、今年は参加者を限定したソーシャルディスタンスの中での観覧のみです。そのため、このテレビでの放送のみとなりました。
これは会場の様子です。野外で行われているとはいえ、ソーシャルディスタンスでマスク着用です。
今回この式典には多くの市民が集まるのですが、一般開放はなくその代わりに選ばれた1,500人の市民が自衛隊の管理で参加するという今までにない状況になりました。
あまり喜ばしくありませんが、インドは現在世界第2位のコロナ感染者数です(9月11日時点)。毎日9万人を超える感染者がいます。しかし、その7割以上が回復しているのも事実です。
ラール・キラー(レッド・フォート)
- 定休日:月曜日
- 開園時間:朝7時から夕方5時半まで
- 入場料:あり 外国人は250ルピー
インドはコロナにどう立ち向かうのか
モディ首相のスピーチは、1時間以上にわたる長いものでした。インドでは、まだ一度も経済支援などは行われていません。しかし、PCR検査を無料で受けられたり、民間企業の寄付によって炊き出しなどが行われたりしています。
しかし、感染者数は増える一方です。最近では、無自覚症状が非常に多い事、回復率が77%ととても高い事などが報道されています。又、インドのマスコミは前ほどコロナのニュースを取り上げていないため、市民の間の空気は徐々に平常に戻りつつあります。
学校は本年度の授業は全てオンラインになりました。一部、進学試験は行われていますが、教育機関に関しては慎重な様子を見せています。
州ごとの対応とその違い
インド、と一言で言っても、それはまるで一つの一つの州が国のようなレベルです。特に都市部と地方の「医療格差」は大きな広がりがあり、約10万件ある医療施設はほとんど都市部に位置しています。
そのため、インドではアーユルヴェーダやホメオパシーなどの伝統医療でコロナウイルス対策を行っている所も多くみられます。特に、地方では、薬が手に入らないためターメリックや生姜、黒コショウなどをお茶にして飲む事で症状を緩和できると言われています。
インドで最も感染者が多いマハラシュトラ州のムンバイという都市には、インド最大のスラム街があります。マハラシュトラ州の感染者はほとんどここにいると言うことですが、実際病院に行くお金もない家族がたくさんいるため、大きな問題となっています。
植民地という背景
インドにとって、独立記念日という日は、宗教問わずインド国籍を持つ人なら誰もが知っている記念すべき日です。そのため、この日は全国で祝日です。(祝日によっては州ごとに違う場合もあります。)
私達日本人が想像ができない「植民地時代」。イギリスやフランス、ポルトガルなどの植民地支配が続いたインドの歴史については、在住していてもあまり見る事はできません。
しかし、1947年の8月15日、スバス=チャンドラ・ボースらによって第二次世界大戦後に独立を勝ち取ります。この日を境にパキスタンとの分断も行われたため、パキスタンにとっても「独立記念日」にあたります。
私達が学生の頃世界史で学んできた事実が、盛大な記念日の裏側に存在します。それを考えると、長い植民地の歴史を変え、自分達の国として独立してから、まだたったの73年。ここが大きく日本と異なる点です。
世の中は自分達の手で変えられる、こうした期待感がインド全体に必ずあるのです。
現在のインドは、「Make In India(国内生産を推奨する運動)」や大胆に行われた新貨幣への移行(宣言から4時間後に旧紙幣が使えなくなるというもの)を繰り返し、外国からの経済支配、宗教支配を排除する動きが頻繁に見受けられます。
独立記念日とは、インド国民の原点回帰の日であり、また兜の緒を締める日なのかもしれません。
まとめ
インドの歴史は、日本との関わりも深く、そして非常に興味深いものが多いです。旅行先でみる「現在のインド」の情報はもちろんですが、歴史をたどる旅ができるのも魅力の一つです。
こうした、記念日にインドを訪れるとたくさんの記念式典や行事が行われています。ぜひお越しの際はインドのカレンダーと照らし合わせ、記念日やお祭りに合わせてインドを訪れてみるといいでしょう。
文・写真 田澤ともき/提供元・たびこふれ
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