2021年から22年の期間において、イングランドでは18歳以上の成人の約63.8%が肥満もしくは肥満に近い状態と診断されている。これまでの交通規制は平均の国民を対象としてきたが、平均的ではない国民が増えてきているので、彼らの安全をも配慮する必要が出てきたというわけだ。そこで、新たな対策により、この横断時間は平均時速1メートルで7・3秒に延長されることになる。
ロンドン大学の2013年の調査では、65歳以上の男性の76%と女性の85%が緑信号が消える前に横断できなかった、と報告されていた。参加者の平均時速は、高齢男性が0.9メートル、高齢女性が0.8メートルであり、現在要求されている1.2メートルより遅い(ウィーンのメトロ新聞「ホイテ」から)。
人生のテンポも人によって異なる。高速道路を走るように猛スピードで走りぬく人がいる一方、亀のようにゆっくりと地べたを踏みしめながら歩く人生もある。明確な点は、どの人生でも信号機に直面する時は一度ならずあるはずだ。信号機が「赤」の時こそ一呼吸してスピードを止めて考えるチャンスかもしれない。人生の信号機を考える時、自分は今、「赤」か、「緑」か、それとも「黄」かを識別しながらその信号に相応しいテンポで歩み出すことが大切だろう。
参考までに、ショルツ連立政権は政権発足後1年半を経過したが、その支持率は3党合計で40%以下だ。すなわち、国民の過半数はショルツ政権を支持していないことになる。「時代の転換期」(Zeitenwende)をキーワードに難問に取り組む「信号機」政権のショルツ政権は現在、注意を意味する「黄」のランプに遭遇しているといえるだろう。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年7月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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