超都心にそびえる、なんともいえない雰囲気のある5階建てビルをリノベ。ビルトインガレージ付き住居に
1988〜89年の2年の間に、約2,000台が生産された911カレラ3.2スピードスターは、世界的にも希少なモデルだ。356スピードスターがオマージュされ、低く寝かされたフロントウインドウに、リアはダブルバブルと呼ばれるソフトトップのカバーが特徴的だが、今回紹介するのはそんなスピードスターが収まる都内のガレージである。
東京都千代田区、最寄りの駅から徒歩5分という好立地に建てられた、5階建てのビル。かつてはオフィスが入り、毎日にぎわっていた地域だが、最近では新築のオフィスビルの出現により会社が移転、古いビルには空きスペースが多くなっているという。ただ、そうした雰囲気のある雑居ビルをリノベーションしてオフィスや住まいにするというのも、逆に人気が出ているようだ。
都内にガレージ付きの物件を探していた、スピードスターオーナーのTさんも、現在住まう5階建てのビルに目をつけて2009年に購入。昭和45年に建てたビルというから、購入当時すでに築40年が経過していたが、なんともいえない雰囲気があり、ビルトインガレージ付きの住居にリノベーションしたいと考えたという。
築40年のビルにビルトインガレージを
ガレージのリノベーションを担当したのは「スターディ・スタイル一級建築士事務所(現・株式会社4D/GROUNDWORK)」で、代表の塚本さんとTさんとは、約30年もの親交があるとのことであった。スペース的にはクルマ4台が入るスペースではあっが、そこにポルシェを2台納めたいと相談。これまでは扉のないオープンのカースペースであったが、木製のオーバースライダーを装着し、壁面はマットブラックで塗装。ガレージ内のライティングにもこだわった。
ガレージドアは木製ガレージドアを手掛ける「ワールドガレージドア」に幅4m、高さ3.8mという規格外のサイズをオーダー。レールを設置するための鉄骨が入れられた。ガレージ床は大きな変更をすることなく、クラックの補修のみ。そしてIKEAで購入したアルミ製のデスクを入れてワークスペース作り上げた。
以前、マンションで暮らしていたTさんにとって、洗車をする時間が愛車を眺める至福の時であったとのこと。現在は、ガレージにクルマを納めることができたため、洗車をする回数は減ってしまったが、洗車が好きなTさんは洗車キットにもこだわりがあるようだ。本当は「ガレージのなかで洗車ができれば最高ですが、傾斜がついてないのでガレージ前でホースを伸ばして実施しています」とTさんは語る。
上階は住居とオフィス
5階建てのビルの3~4階がTさんの自宅で、5階がオフィス、ビルの2階は約51平米の賃貸スペースとなっている。シンプルで真っ白な壁面に、ポップな刺し色が利いたソファ、そしてカルテル製のテーブルなどデザインの美しい家具が入り、T夫妻雰囲気に似合うなんともオシャレな空間だ。
リビングにはリノベーション前が和室だったことがうかがえる障子も残り、Tさんのもうひとつの趣味であるギターがディスプレイされていた。中古のビルを購入し、きれいにリノベーションしてガレージを完成させたTさん。予算はリビングに割いたためガレージの壁面や床は工夫してコストを抑えるなどし、素敵なガレージを手に入れた。モダンな空間に収まるスピードスタート、日常で使っているポルシェカイエンは、東京にとてもよく似合っていた。
文・ガレージライフ編集部/提供元・CARSMEET WEB
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