「片付けの魔法」で部屋は片付いた

冒頭、ケアタスクについて述べましたが、これは、料理、掃除、洗濯、食事、食器洗い、衛生管理などのタスクを意味しています。しかし、これらのケアタスクに費やされる時間、体力、スキルを分析すると、単純な作業ではないことが分かると思います。

あなたが風邪をひいている状態だと仮定しましょう。健康のために、ほこりがたまらないように部屋をキレイにすることに努めるはずです。他にも、衣類のしまい方や、ペットを飼っているなら、ペットの毛が衣類に付かないように心掛けると思います。

あなたに大勢の家族がいて、日々の洗濯にストレスを感じていると仮定します。一人一人の衣類を選別することは大変です。そうであれば、家族全員の衣類を大きな部屋(クローゼット)に入れて各自で持っていってもらった方が効率的と言えます。これで、全員の洗濯物を分別するためのストレスからは解放されます。

次に洗濯物の管理です。ハンガーでつるしておく方がいいという人もいれば、畳まないと落ち着かない人もいます。大切なことは、人それぞれだということ。片付けには魔法などはなく、自分の習慣に合わせたシステムづくりをすることに意味があるということです。

片付け本に気を付けよう

多くの片付け本には、「システムに自分の習慣を合わせるべき(もしくは修正すべき)」と掲載されていますが、ストレスを高めるだけでよい方法とはいえません。片付けがうまくできないのは、システムが自分に合っていないからです。

片付けには「呪縛」があります。縛られ過ぎると身動きができなくなります。この折り合いがうまくつけられないと、心身ともに疲れ切ってしまいます。あなたは片づけが得意ですか?この機会に見直してみましょう。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)