夢を見ている者同士でコミュニケーションが可能なのか――。睡眠改善と明晰夢を専門とする新興企業が明晰夢を見ている個人間で初めて双方向のコミュニケーションを実現したと主張している。
■明晰夢を見ている2人が夢の中で特定の単語を共有
米カリフォルニアとロシアに拠点を置くニューロテクノロジー新興企業「REMspace」は特別に設計された装置を使用して、2人の人物の明晰夢を誘発し、2人の間で簡単なメッセージを交換することに成功したと主張している。
同社創設者のロシアの研究者、マイケル・ラドガ氏は2023年5月、明晰夢(lucid dream)を制御できる可能性がある電極を自分の脳に埋め込むため、カザフスタンの自宅で脳外科“セルフ手術”を行って話題となり、トカナの過去の記事でも報じた。
ラドガ氏の研究はその後も続き、今年9月24日に2人の実験参加者の明晰夢の中でのコミュニケーションを実現したと主張している。
明晰夢とは、眠っている間に自分が夢を見ていることを自覚している状態であり、約50%の人が少なくとも1回は明晰夢を体験したと報告している。そしてこの明晰夢を見ている状態でのコミュニケーションというアイデアはまだ研究の初期段階にある。
実験ではEGG(ElectroEncephaloGraphy)などの複数の非侵襲的な脳波モニター装置とヘッドホンを装着した2人の参加者が並んで就寝し、明晰夢が誘発された。
参加者は夢の中でサーバーが生成したランダムな単語をヘッドホンを通じて受け取ることができた。1人の参加者が夢の中でその単語を繰り返し、もう1人は目覚めた後にその単語が夢に出てきたことを報告したのである。
REMspaceはこれを夢の中での双方向コミュニケーションの初の事例であると説明している。
ラドガ氏はまた、チームが「Remmyo」と呼ばれる夢の言語を開発したと主張しており、これは筋電図センサーで検出できるという。これらのセンサーは、夢の中で発せられる特定の音を捉えることができ、この技術により夢を見ながらリアルタイムのコミュニケーションが可能になると同社は説明している。
REMspace はプレスリリースで、特にREM(急速眼球運動)段階の明晰夢には、精神衛生問題の解決や新しいスキルの習得など、多くの潜在的な応用があると主張する。
ラドガ氏は明晰夢の心理的利点を力説し、悪夢の軽減、恐怖症への対処、個人的な問題への対処に役立つ可能性があると示唆し、また明晰夢中に新しいスキルを訓練して獲得することも可能であると説明している。
REMspaceは、将来的には完全な会話や外部サーバーとのやり取りなど、より複雑な形の夢のコミュニケーションを可能にすることを思い描いており、ラドガ氏は数年以内に「夢のコミュニケーションは一般的になる」と予測している。
はたして“夢のコミュニケーション”が技術的に実現する日がやってくるのか。そして複数の者が同じ夢を共有できるようになるのか。研究の進展を今後もウォッチしていきたい。
文=仲田しんじ
提供元・TOCANA
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