■ 「Chainsaw Man : Mortal .Fighter」を実際にプレイ

 「Chainsaw Man : Mortal .Fighter」を実際にプレイしてみます。

どう見ても「チェンソーマン」な低評価ゲームをプレイしてみたら……理不尽&手抜きなシステムで超イライラ!
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 メイン画面もかなりアウトです。アイコンのキャラクターは細部を見れば「デンジに似た誰か」でギリギリ回避できそうですが、メインのキャラクターはどうしようもないほど「チェンソーマン」です。

 本作は横スクロールのアクションゲームです。画面左下のパッドエリアでキャラクターの操作、右下の剣ボタンで攻撃が行えます。

どう見ても「チェンソーマン」な低評価ゲームをプレイしてみたら……理不尽&手抜きなシステムで超イライラ!
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 基本システムはキャラを右に向かって移動させながら、画面の両端から現れる敵を倒していくというもの。画面左上の赤いHPゲージが0になるか、中央の時間カウントダウンが0になるとゲームオーバーです。

 HPゲージが0になった場合は広告視聴をすることで1回だけゲームオーバーした地点からやり直せますが、時間切れの場合は一発で最初からやり直しです。

 1つの大ステージにつき3つの小ステージがあり、3ステージ目がボス戦となっています。

どう見ても「チェンソーマン」な低評価ゲームをプレイしてみたら……理不尽&手抜きなシステムで超イライラ!
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 プレイヤーキャラクターは頭と右手にチェンソーらしきものが生えた「チェンソーマン」風のなにかです。

どう見ても「チェンソーマン」な低評価ゲームをプレイしてみたら……理不尽&手抜きなシステムで超イライラ!
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 こいつの攻撃は右手のチェンソーを使う斬撃がメインですが、チェンソーの要素は見た目だけ。効果音は「シャキン、シャキン」であり、実態はただの剣です。そこはこだわってくれよ。

 プレイしているうちにこのゲームがApp Storeで星2だった理由も分かってきました。あらゆる部分でストレスがたまるのです、このゲーム。超イライラします。

 まず広告です。本作はほかのスマホ向けフリーゲームと同じようにゲーム中に何度も広告が流れます。これ自体は収益化のためには仕方ないものだと思いますが、本作の不満点は広告を消すためにはサブスクリプションに加入する必要があるという点。

どう見ても「チェンソーマン」な低評価ゲームをプレイしてみたら……理不尽&手抜きなシステムで超イライラ!
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 1度課金すれば永遠に広告なしで遊べるようになるのではなく、月単位で課金をし続けなくてはなりません。おまけに課金額はひと月あたり9.99ドル。現在のレートで約1500円です。さすがに高い。

 ただこちらは広告さえ我慢すればいい話なのでまだいいでしょう。これだけで星2をつけるのはナンセンスです。

 ほかにストレスが溜まったのは回復アイテムのデザイン。このゲームにはHPとMPという2種類のゲージがあり、減少した場合はそれぞれ別の回復アイテムを用いて回復します。

 しかしこの回復アイテムのデザインが2つとも全く同じなのです。アイテムボックス内ではHP回復用のアイテムも、MP回復用のアイテムも、両方とも同じデザインで表示されます。

どう見ても「チェンソーマン」な低評価ゲームをプレイしてみたら……理不尽&手抜きなシステムで超イライラ!
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 実際に使ってみるまで、どっちがどっちなのかわからないのです。つまりHPがないから回復したいのに、使ってみたらMP回復アイテムだった、という事態が頻繁に起こります。

 さらに回復アイテムにはいくつかグレードがあり、グレードによって1度に回復できる量が変わってきます。が、これもデザインが同じ!!!50回復したいのに20しか回復しないアイテムを使ってしまったり、逆に20の回復でいいのに50回復してしまったりと、散々。

 ちなみにこの回復アイテムは敵を倒すとドロップするのですが、なんとドロップ時点ではちゃんと色やサイズなどの見分けがついているのです!!!

どう見ても「チェンソーマン」な低評価ゲームをプレイしてみたら……理不尽&手抜きなシステムで超イライラ!
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)
どう見ても「チェンソーマン」な低評価ゲームをプレイしてみたら……理不尽&手抜きなシステムで超イライラ!
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 HP回復アイテムは赤、MP回復アイテムは青と分かれています。(使用時には区別がつかなくなっているので、ゲージの色からの推測)。さらに赤青それぞれ回復アイテムにはサイズやデザインの違いもあり、おそらく回復量の区別もできているハズ。

 なのにアイテムボックスに移動するとまったく見分けがつかなくなります!!!なんでだよ!!!

どう見ても「チェンソーマン」な低評価ゲームをプレイしてみたら……理不尽&手抜きなシステムで超イライラ!
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 設計ミスか、途中で「区別すんのめんどくさい」と諦めたか、あるいはわざと見分けがつかなくしてゲームの難易度を理不尽に上げたか。真相はわかりません。

■ ゲームをやっていて最も「チェンソーマン」らしさを感じたのは…

 このゲームのストレスを感じる要素はほかにもいろいろあるのですが、あと1つだけ言わせてください。

 先ほどMPゲージがあるとお伝えしましたが、このゲームにはそのMPゲージを消費して用いる「必殺技」的なものがあります。右下にある小さな3つの丸いアイコンがそれです。

どう見ても「チェンソーマン」な低評価ゲームをプレイしてみたら……理不尽&手抜きなシステムで超イライラ!
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 こちらは「ショップ」ページにてコイン(ゲーム内通貨)+広告視聴で購入することができます。

どう見ても「チェンソーマン」な低評価ゲームをプレイしてみたら……理不尽&手抜きなシステムで超イライラ!
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 「コインの支払いに加えて広告視聴もさせられるのかよ」とつっこみたくなりますが、この際それは無視します。

 問題は「スキル」の価格が異様に高いことと、コインがなくても買えてしまうことの2つです。

 まず1つ目、「スキル」の価格についてです。

 「スキル」は3種類あり、最低でも1万コインが必要です。コインは敵を倒すことで得られるのですが、1回のステージで得られる額がだいたい1200コインなので、1万コインを貯めるとしたら8回はプレイしなくてはなりません。

 さらにこの「スキル」は1ステージ使い切り。1度購入したら1ステージ中しか使えず、そのステージをクリアしてもゲームオーバーになっても、次のステージには引き継げません。

 また「スキル」を使うには再購入する必要があり、つまりコインが底を尽きていたらまた何度もステージをプレイしなくてはなりません。

 ただ、ここで2つ目の問題点が関係してきます。実はこの「スキル」はコインがなくても広告視聴だけで購入できるのです。コインなしで購入するとどうなるか?借金、という形になります。つまり所持コインがマイナス値になるのです。

どう見ても「チェンソーマン」な低評価ゲームをプレイしてみたら……理不尽&手抜きなシステムで超イライラ!
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 ゲームを始めた当初、これに気がついていなかった私は「スキル使い放題じゃん」と思ってコインもないのに購入しまくっていました。その結果、借金が5万コインを越しました。

どう見ても「チェンソーマン」な低評価ゲームをプレイしてみたら……理不尽&手抜きなシステムで超イライラ!
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 「借金するだけでスキル使い放題ならそれで良くない?」と思う方をもいるでしょう。しかしことはそう単純ではありません。

 このゲームにはスキルのほかにキャラクターの強化も行えます。強化は200コインまたは500コインを支払うことでHPやMPの最大値を上げたり、攻撃力や防御力を高めることができます。こちらは借金システム不採用のため、しっかりコインで支払わないと強化できません。

 そしてこのゲームは進めていくうちに強化なしでは到底太刀打ちできない敵が出てきます。

 もうおわかりですね。私はコインもないのにスキルを購入しまくったせいで、借金がかさんでいたため、難敵を前にしても一切強化ができなかったのです。

 敵を倒すには強化が必要で、強化をするためにはコイン数を用意しなければならず、そのためには5万超の借金を返済しなければならないという状況。単純計算で40回近くステージをこなさなければなりませんでした。

 借金から始まるゲームなんて「どうぶつの森」以外で聞いたことないです。

 ある意味、この借金返済のために頑張っている時間が一番「チェンソーマン」らしかったかもしれません。(「チェンソーマン」1話にて主人公・デンジは亡くなった親の借金を返すために極貧生活を送っていました)