株式会社帝国データバンク(以下、TDB)は、食品の値上げをめぐる2024年10月以降の動向と展望・見通しに関する分析を公表しました。

記録的な値上げラッシュが続いた2023年の食品値上げは3万2,396品目だったといいます。今年もあと3カ月ですが、これからの値上げはどのような見通しになっているのでしょうか。

10月の食品値上げは2911品目

TDBによると、主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした10月の飲食料品値上げは2,911品目とのこと。

2023年10月と同様に、ハム・ソーセージ製品といった加工食品やペットボトル飲料などで大規模な値上げが発生しているそうです。

4月の2,897品目を14品目(0.5%)上回り、年内最大の値上げラッシュになっているといいます。

ただし、10月単月の値上げとしては、缶ビールなどアルコール製品の多くで値上げが発生しなかったことから、2022年(7,864品目)の4割弱、2023年(4,758品目)の約6割にとどまっています。

値上げの最多は「酒類・飲料」

食品分野ごとでは、ペットボトル飲料を中心とした「酒類・飲料」が全食品分野で最も多い1,362品目(全体の46.8%)となっています。

また、「加工食品」(673品目)ではハム・ソーセージ製品の多くが一斉値上げになったそうです。

「菓子」では10月に値上げとなる237品目のうち、半数超がチョコ関連製品で占められています。

2024年通年の値上げはどうなる?

同社によると、食品の値上げに対し、家計では購入点数の減少や買い控えといった「値上げ疲れ」の消費行動が定着したとのこと。

食品の多くは値上げの見送りや、内容量の減量などで価格を極力維持する傾向が強く、値上げの勢いとしては後退感がみられるそうです。

今後の動向としては、コメの価格高騰により、パック米飯で一斉値上げに向けた動きがある一方、11月以降の値上げは落ち着いて推移する見込みといいます。