博報堂DYグループの株式会社SIGNINGは、博報堂との共同プロジェクト「HAKUHODO HUMANOMICS STUDIO」の一環として、「シン密圏プロジェクト」を発足。

同プロジェクトはSNSが生活のインフラとなった現代における「親密さ」を捉え直そうというもの。

Z世代を中心に広がるという「位置情報のシェア」アプリに着目して、“親しさ”から広がる新たなつながりを「シン密圏」と名付けました。

位置情報共有サービス「whoo your world」を運営する株式会社LinQが共同研究として携わり、現代における「親密さ」についてのレポートを公開しました。

Z世代的価値観が反映した「親密さ」

SNSが主流となったことが、人と人とのつながりに変化をもたらしていると同プロジェクトは指摘。

Z世代で人気を博しているという「位置情報のシェア」アプリはリアルタイムな交流やコミュニティー形成をもたらし、彼ら彼女らにとって当たり前の存在になっています。さらに、位置をシェアすることで「親密さ」に加えて、「賑わい」「信頼」「深め合い」「安心」の4つの価値が生まれているそうです。

この新たな4つの価値がもたらすつながりを「シン密圏」と名付け、世代を超えて浸透することを見据えた社会を「オルタナ社会」として提言しているようです。

本レポートでは、『#Z世代的価値観』の著者・竹田ダニエル氏、株式会社LinQ代表取締役CEOの原田豪介氏など、有識者へのインタビューも実施。現代の「つながり」に関する実態を探ります。

位置情報をシェアする相手は?

レポートによると、自分の位置情報を共有する「位置シェアラー」は、若年層の4人に1人に上るとのこと。

位置をシェアする相手は「仲が良くて、リアルで会う友だち」が多く、63.2%がSNSでつながった友だちのなかで情報共有する相手を限定しているといいます。

SNSでつながっている人たちとの親密度を数値化した場合、X(旧Twitter)では49ポイント、Instagramは61ポイント、LINEが80ポイントだったのに比べて、位置情報共有アプリ「whoo」は88ポイントと最も高い結果となっています。「位置をシェアする繋がり」が「最も親密」な関係だと捉えられているようです。

位置情報をシェアすることで新たなつながりが生まれる

位置情報のシェアは、友達だけでなく、同僚との関係にも影響があるかもしれません。

最近は働き方が多様化し、会社を離れて仕事をする人もめずらしくありませんが、社内でのコミュニケーションが減りがちです。そんななか、同僚と位置情報をシェアすることで、言葉を交わさなくても連帯感が生まれるとの声も上がっているようです。

位置情報をシェアすることで、「賑わい」「信頼」「深め合い」「安心感」といった価値が創出されるといい、本レポートでは、この新たなつながり「シン密圏」が浸透した先に、「位置」に根差した「ご近所同士の支え合い」ができる「オルタナ社会」があるといいます。