「古いセリカ」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは初代セリカかもしれませんね。
発売は1970年。2ドアクーペと3ドアリフトバック(ハッチバック)があり、前者は「ダルマセリカ」なんて呼ばれています。アメリカンなスタイルも好評で、大ヒット。41万台も生産されました。
しかし今回、YouTubeチャンネル「車選びドットコム」で取り上げた“古いセリカ”はそんな初代モデルではありません。初代からバトンを託され、1977年にデビューした2代目セリカです。
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大ヒットしなかったのが不思議!今見ても細部まで凝った美しいデザイン
今回のセリカは1.6L 4気筒エンジンに"ソレ・タコ・デュアル”を装着!
大ヒットしなかったのが不思議!今見ても細部まで凝った美しいデザイン
2代目のセリカがどんなデザインかパッと浮かびますか? もしかすると「初代セリカXX」を思い出したほうが早いかもしれませんね。
2代目セリカ(エンジンは全車とも4気筒)をベースにボンネットを伸ばし、6気筒エンジンを積んだモデルが「初代セリカXX(ダブルエックス)」。このセリカはそんな初代XXの4気筒版というわけです。
プラットフォームは当時の「カリーナ」と共通。セリカはカリーナの兄弟車的な位置づけ(アッパーボディは異なるがシャシーやメカニズムは共通設計)でした。もちろん後輪駆動ですよ。
ちなみに初代同様に2ドアクーペと3ドアリフトバックをラインナップするボディは、「CALTY(キャルティ)」と呼ぶアメリカ・カリフォルニアにあるトヨタのデザインスタジオが描いたもの。
そんなデザインストーリーからも初代「スープラ」(セリカXXの海外向け名称)として北米でのセールスをかなり意識していたことがわかりますね。
何を隠そう、元レーサーの土屋圭市さんもこれまでの人生で2代目セリカに接したことがないとのこと。
でも「美しいクルマだねー」と時代を超えたデザインの美しさに驚きの様子です。
スタイリングは、真横から見たときにガラスエリアが広いのが特徴的。
細かい部分に目を向けると、アンテナがガラスにプリントされていたり、ウインドウウォッシャーのノズルがワイパーに内蔵されている(これはセリカが日本初)などとことんこだわっているのがよくわかります。驚くほど凝ってますね。
今回のセリカは1.6L 4気筒エンジンに"ソレ・タコ・デュアル”を装着!
セリカのエンジンは4気筒で、排気量は1.6L、1.8L、そして2.0Lの3タイプ。
今回試乗した車両のエンジンは「12T-U」で排気量1.6L。88psです。
この車両は三重県にある「WONDER」の販売車両で、そのコンディションには驚くばかり。ボディもインテリアもしっかりと手入れをされて美しい状態を保っているので、とても45年前のクルマだなんて思えないのです。
走行距離もわずか4.3万キロだし、内外装がほぼノーマルというのも奇跡的ですね(グリルのみ別グレードの純正品に交換されています)。
また、エンジンは旧車のチューニングにおける「三種の神器」といえる“ソレ・タコ・デュアル”を装着。
ソレックスというメーカー製のキャブレター、タコ足(排気効率を高めるためにタコの足のような形状となった排気管)、そしてデュアル(2本)のテールパイプとしたマフラーのことです。
ちなみにWONDERによるとこの型のセリカ用にタコ足とマフラー、車高調はワンオフで制作、キャブレターは加工して取り付けたとのこと。…何でもやってしまうバイタリティに感服ですね。
何を隠そう、ソレックスなど非純正のキャブレターを組んでチューニングしたクルマは、アクセル操作に反応して響く吸気音が特徴。
このセリカも「グォ、グォ」と迫力ある音を奏で「キャブの音がいいよね。めっちゃいい音だ」と土屋さんも納得の様子が伝わってきます。
WONDERが販売している旧車はしっかりメンテナンスされているのがセールスポイントのひとつで、このセリカの調子もばっちり。車両を試乗するにあたってお店のスタッフは「しっかりと(アクセルを)踏んでください!」と送り出してくれました。
「乗ってみるとバッチリ整備されているのがわかるから、安心して乗れるね」と土屋さんも太鼓判です。
動画で土屋さんの笑顔を見れば、どれだけセリカの運転を楽しんでいるかが一目瞭然でしょう。