上田綺世 写真:Getty Images

 フェイエノールト所属の日本代表FW上田綺世は、10月6日に行われたオランダ1部リーグ第8節のトウェンテ戦で今季2ゴール目をマーク。現地では、上田や韓国代表MFファン・インボムに対する解説者の言動が物議を醸しているほか、人種差別問題に関する指摘も飛び交っている。

 アメリカのインターネット掲示板『reddit』では、「上田とファン・インボムを巡るカジュアルな人種差別」というテーマのもと、オランダ国内におけるアジア人差別を巡る議論が白熱。掲示板で一部から日本人、韓国人に対する否定的な声が挙がっているだけに、「アジア人差別はやめるべき」「オランダサッカーで、差別が常態化しているような気がする」などと反発も湧き起こっている。

 トゥウェンテ戦では28分に上田がゴールネットを揺らすと、43分にファン・インボムが追加点を奪取。試合終盤に上田が決定機をものにできなかったとはいえ、フェイエノールトはアジア人選手の活躍により勝利を収めた。

 ただ、米放送局『ESPN』の解説者は両選手に厳しい言葉を浴びせていたとのこと。『reddit』を通じて、「日本人選手と韓国人選手は従順な態度しかとらないと、ESPNや他のメディアはつねに文句を言っている。差別ともとれるような文句はまったく意味がない」「ESPNの解説者は、ゴールを決めたのはファン・インボムではなく上田だと気づくまでに時間がかかりすぎ。そんなに見分けがつかないのか」といった苦情が相次いでいるという。

 オランダでの差別被害には、かつて同国1部VVVフェンロでプレーしていたMF本田圭佑(現パロFC)も言及。2024年4月に本田の公式YouTubeチャンネルでは、町田ゼルビアの代表取締役社長兼CEOである藤田晋氏との対談動画が公開されているが、その中で同選手は「最初にオランダ行った時、日本から車のメーカー(ホンダ)のやつが来て、お前らみたいなサッカー後進国がここで何ができるんだ、というようなことを平気で言う。何度も差別的なことには遭ってきました」と語っている。