近年ではスマホが大型化する一方で、キャッシュレス決済や健康管理に使えるスマートウオッチがサブツールとして定着しつつある。スマートウオッチの性能やバリエーションは年々進化しているが、最近では腕時計型だけではなく指輪型のデバイス(スマートリング)も登場。注目を集めているスマートリングの最新事情を見ていこう。
健康管理やタッチ決済に使えるスマートリングが話題
村田製作所は、スマートリングで健康状態を分析し生活改善を提案するという実証実験を行うことを発表した。2024年9月から1カ月程度、リゾートホテルの宿泊客を対象として実施する実験で、リングに内蔵する光学センサーで血行状態を分析。データを踏まえて、ジムでの運動や食事の改善などを提案する。
高齢社会である日本では、健康寿命をより長く保つことが大きな課題だ。今回はリゾート滞在中の新たな付加価値の提供を目指した取り組みだが、もし今後、製品化され、一般に普及したら、生活習慣病の予防に重要なアイテムとなるかもしれない。
最近のスマートリングは充電不要のものが多いのも大きな特徴だろう。今年5月にNTTドコモから発売された「EVERING(エブリング)」は、指輪をかざすだけで支払いができるアイテム。全国で180万台以上の端末が設置されている「Visaのタッチ決済」に対応しているため、スーパーやコンビニなど多くの店舗で使用可能となっている。
充電が不要なのは、端末にリング内のICチップが反応する仕組みとなっており、電力を使わないため。スマホのアプリを使ってクレジットカードと紐づけることでチャージが可能で、オートチャージにも対応している。「EVERING」は支払いに特化し余計な機能がついていないので価格も抑えられ、ドコモユーザーでなくても購入できるというのも大きなポイントだ。
PC並みの性能へと進化しているスマホに変わって、ウェアラブル端末は必要な用途に特化して、より小型にバリエーション豊かに進化していきそうだ。今後どんな新しい製品が登場するのか、楽しみにしたい。(フリーライター・佐々木剛)
■Profile
佐々木剛
大手メーカーに勤務後、一念発起してウェブメディア業界に転職。その後フリーライターとして独立し、現在に至る。メーカー時代の経験を活かし、テクノロジー、機械、技術系中心に執筆。
提供元・BCN+R
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