なぜこのようなことが起きるのか
戦後、日本では多くの会社が年功序列制度を採用していました。勤続年数に応じて基本給がアップする仕組みで退職金も「退職時の基本給 × 勤続年数 × 退職事由係数」という計算式をベースに算出する制度が大半でした。重厚長大型の歴史のある会社は基本給連動型の退職金制度となっているケースが多かったといえるでしょう。
基本給は働くうえでベースとなるお金です。多くは会社ごとの裁量で決定されていると思います。基本給は法律で守られているため、一度設定すると簡単には下げられません。一方で各種手当は法律で守られているわけではありませんので、会社の裁量でカットが可能です。
会社が「総人件費を抑えたい」「給与をカットしたい」と考えた場合、カットできるのは手当です。基本給が低い場合、何らかの理由によって手当がカットされた場合、手取りが大幅に減ることになりますからリスクと考えられるでしょう。しかし、基本給の低さに明確な規定があるわけではありません。
労働者にとって基本給が低いことによるメリットは存在しません。とはいえ、簡単に基本給がアップするような時代でもありません。皆さまの基本給はどんな感じですか?
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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