またマクラギの隙間にもしっかりと敷き詰められることで、重い列車が猛スピードで走行しても線路は動きません。
さらにバラストを敷くと振動が吸収されるため、乗り心地が非常に良くなり、騒音も抑えられます。
地下鉄などではメンテナンス簡略化のためバラストを利用せず、コンクリートにレールがそのまま付いています。
そのため、振動や騒音の点では限界があります。
「乗り心地か、容易なメンテナンスか」どちらのメリットを取るかで、採用形式も変わってくるのですね。
さらにバラストには、線路の水はけを良くしたり、植物が生えるのを抑制したりする効果もあります。
そして、これらのメリットを最大限発揮するために、バラストの石は小さかったり丸かったりしてはいけません。
ある程度の大きさで角がある石を使うことで相互に噛み合って、線路に安定感を与えてくれるのです。
このように線路の石には確かな目的があります。
このことを知っているなら、線路に別の石を投げ入れたり、線路から石を持っていったりはしないでしょう。
私たちのために敷かれたバラストを置き石にするなんてもってのほかです。
※この記事は2022年1月公開のものを再掲載しています。
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参考文献
Why Are There Stones Alongside Railway Tracks?
https://www.scienceabc.com/pure-sciences/why-are-there-stones-train-ballast-alongside-railway-tracks.html
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。
編集者
海沼 賢: ナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。