30万円以下の価格帯でデイリーユースの時計を選ぶ際、最も選択肢が豊富なのがシンプルな3針モデルだが、もう少し機械式時計らしい機能、メカニカルなデザインを楽しみたい、という人におすすめしたいのが、ひとつの時計で異なる時刻を表示できるGMT機構を搭載したモデルだ。
時刻表示以外の機能を搭載していると価格も高くなりそうな印象だが、セリタやミヨタなど供給されるムーヴメントが増えたことでラインナップが増加しており、20万円台までの価格帯でも魅力的なモデルが射程圏内に入ってくる。
小窓表示やサブダイアル表示などの第2時間帯の表示方法は様々あるのだが、一般的に採用されているのは、ロレックスのGMTマスターⅡが基本形を確立したとされるスタイルだ。時分針とは別にもうひとつ副時針(GMT針と呼ぶ)を備え、ベゼルに設けられた24時間表示とで第2時間帯を確認するタイプである。
ローカルタイム(渡航先の時刻)の設定方法による違いで、“時針単独可動型(フライヤー型)”と“GMT針単独可動型(コーラー型)”に分類されるので、操作方法に注目してみるのも面白いだろう。
【“コーラー型(GMT針単独可動型)”とは?】
“コーラー型GMT(GMT針単独可動型)”は、GMT針だけを操作してローカルタイム(渡航先)の時刻を表示するタイプのGMTモデルを指す。時分針はホームタイム(日本時間)を表示した状態で、GMT針だけを動かして24時間ベゼル上の海外の時刻に合わせる仕様となり、設定も簡単だ。日本にいて海外とのやり取りの際など、メインは日本時間で時々海外の現在時刻を確認したいという場合に使い勝手が良いことから、“オフィスGMT”とも呼ばれる。
SEIKO PROSPEX(セイコー プロスペックス)
ナビゲータータイマー 復刻デザイン 限定モデル
1968年に発売されたナビゲータータイマーをモチーフとした機械式GMTモデル。オリジナルモデルのデザインを受け継ぐ5列ブレスレットは、クラシカルかつ高級感のある煌めきを放つ。72時間のロングパワーリザーブとGMT機能を搭載しており実用性も抜群だ。
【問い合わせ先】
セイコーウオッチお客様相談室
TEL.0120-061-012
【“フライヤー型(時針単独可動型)”とは?】
“フライヤー型GMT(時針単独可動型)”は、時針だけを単独で動かしてローカルタイム(渡航先)の設定を行うことができるGMTモデルを指す。ロレックスのGMTマスター IIでも採用される機構で、海外へ渡航した際などに、時分針でその渡航先の時刻を簡単に設定できるのが大きな特徴となり、渡航先の時刻は時分で、ホームタイム(日本時間)はGMT針とベゼルの24時間表示で確認する。海外旅行に適したGMTということから“トラベルGMT”と呼ばれることもある。
CITIZEN Series 8(シチズン シリーズエイト)
880メカニカル
NB6030-59L
シリーズエイト初のGMTモデル。新開発のGMT機能付き機械式ムーヴメント、Cal.9054は、パーツに磁化しにくい素材を採用することでJIS第2種耐磁性能を実現。さらに50時間パワーリザーブを備えている。アイコニックなツートンベゼルに加えて、東京の夜景からイメージしたという、市松模様の装飾を施した文字盤も目を引きつける。
【問い合わせ先】
シチズンお客様時計相談室
TEL.0120-78-4807