AIの進化などで労働環境が大きく変わる中、「お金」にどのように向き合えばよいのでしょうか。マネー本から読み解きます。
「ズボラな僕でもお金が貯まるようになりますか?」富雄 美智(著)、史堂櫂(イラスト)/飛鳥新社
[本書の評価]★★★(70点)
【評価のレべリング】※ 標準点(合格点)を60点に設定。 ★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点 ★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満 ★★★ 「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満 ★★ 「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満 ★ 「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
本書では、貯金ゼロの「井上拓実」とお金に詳しい「上田先輩」という2人のキャラクターが登場し、彼らの会話を通じてお金のことをイチから学ぶことができます。
上田先輩は、多くの人がやりがちな家計簿の管理をやめ、コーヒー代や酒代などの細かい支出は無視しても構わないと説いています。
家計簿はつけ忘れてしまうことが多く、その結果、家計簿を管理できない自分を責めてしまい、貯金へのモチベーションが低下するからです。また、家計簿をつけることが目的化してしまう可能性もあります。その代わり、携帯電話料金や保険料などの「大きな支出」を見直すべきだと強調しています。
また、お金の使い方は「消費」「浪費」「投資」の3つで成り立っているとし、食費や家賃、光熱費など、日々の生活に必要な物やサービスに使うお金は消費、惰性で何となく使っているお金は浪費、将来のお金を生み出すためにお金を使うことを投資だと解説しています。違いを理解することで、お金に対する向き合い方が変わるのです。
「私が『お金のこと』を知りたいと思ったのは、ある話を聞いたことがきっかけでした。退職して50年で20億円の資産を築き、全資産を寄付した女性の話です。彼女は1893年ニューヨーク生まれ、50歳で退職した当時の資産は、貯金5000ドルと、年金3100ドルだけでした。その彼女が、1995年に101歳という長寿を全うし、遺産のすべてが寄付されました。その金額が2200万ドル(約20億円)だったというのです」(著者)