自動車部品メーカーの株式会社アイシンは、ストレス状態を客観的に判定する、新しいメンタルヘルス対策支援サービスの社内実証実験を開始したと発表しました。

皮膚ガス分析によるストレス検知技術とデジタルメンタルヘルスケアを組み合わせたものだということです。

手の皮膚から出る微量のガスでストレス状態を推定

今回の実証実験では、手の皮膚から出るガスをセンサーで検知し、代謝活動や血管運動を分析するそうです。

人間の体から放出されるという、きわめて微量のガスに着目した取り組みだといいます。

心身状態の判定には二次元マップを使い、ストレスの蓄積の予兆をとらえられるそうです。この技術は東海大学との共同研究により開発されました。

デジタルメンタルヘルスケア技術は、Intellect Japan株式会社の技術を活用しています。

質問票よりも客観的なストレス調査方法として期待

労働者のメンタルヘルス保持・促進を国から求められる事業者。多くの企業では年1回、質問票によるストレス調査が行われています。

質問への回答が恣意的なものになっている可能性があるほか、ストレス状態も仕事の内容や季節によって変動するといい、ストレス状態をリアルタイムで客観的に把握する方法が課題とされてきたそうです。

同社はこの実証実験を通じて、客観的なストレス状態を簡単に把握する技術の確立と、最適なセルフケアの提案を目指すとしています。

また、今回の実験を高ストレス状態の従業員を減らすことやメンタル疾患の予防を図る仕組みづくりに役立てる方針です。

<参照>

自社技術を活用したメンタルヘルス対策支援サービスの社内実証実験を開始

Intellect Japanは革新的なメンタルヘルス対策支援サービスの事業化に向けてアイシンと共同研究を開始