加藤勝信財務相、赤沢亮正経済財政担当相、植田和男日銀総裁は3日、東京都内で会談し、経済・物価情勢などについて意見交換した。会談は石破茂政権の発足を受けて行われた。加藤財務相や植田総裁らは、政府・日銀がデフレからの早期脱却に向けて2013年に公表した共同声明を維持し、今後も緊密に連携していくことを確認した。

 石破政権はデフレ脱却最優先の経済財政運営を行う方針を掲げている。加藤氏は会談後、記者団の取材に応じ、「政府・日銀の共同声明に沿ってデフレからの早期脱却と持続的な経済成長の実現に向けて政策運営に万全を期す」と説明。赤沢氏は「政府と日銀が政策目標や方向性を共有することが大事だ」と強調した。

 日銀は17年ぶりに利上げを含む金融正常化に踏み出した。ただ、賃金の上昇が物価上昇に追い付いておらず、政府はデフレ脱却を宣言していない。石破首相は2日、植田総裁と首相官邸で会談後、追加利上げについて「個人的には現在そのような環境にあるとは思っていない」と記者団に語っていた。

 赤沢氏は「デフレから完全に脱却できるかどうかの瀬戸際という政府の認識がある」と指摘。日銀の利上げについて「タイミングをよほどきちっと計っていかないと、経済を冷やしたり、設備投資にブレーキをかけたりする」との認識を示した。

 足元では株価や円相場の乱高下など市場が不安定化している。加藤氏は「市場の動向を緊張感を持ち、冷静に注視するとともに、市場とも丁寧にコミュニケーションをとることについて確認した」と明らかにし、政府・日銀双方が適切な情報発信に努める考えを示した。(了)

提供元・Business Journal

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