10月4日に行われた石破茂新総理の所信表明演説、すでに関係各所から総ツッコミが入っていましたが、私も聞いていて落胆しました。

あれだけの「論客」で鳴らした石破茂氏のカラーや想いはどこにも感じられず、期待していた「変革」の兆しはほとんど見られず、従来型の自民党政治の踏襲にすぎないものだったからです。

低所得者世帯(7割以上が高齢者)への給付金、地方交付金の増額、石油元売各社への補助金という、明確な増税バラマキ路線。

これらの政策を見ると、結局のところ次の3つのグループに税金を回すことで選挙を有利に運ぼうとする、従来型の自民党手法そのものであることがわかります。

①高齢者 ②地方 ③業者(特定業界)

さらに驚いたのは、「裏金議員」の扱いです。

石破総理は、原則として裏金問題に関わった議員たちの公認を認める方針を示していると言われており、所信表明演説でも、これを覆すような政治改革に対する具体策は表明されませんでした。

所信表明演説を行う石破首相 首相官邸HPより

もう一つ加えれば、私たち維新の会が目下の最重点課題と認識している、社会保障について何ら具体性がないことにはびっくりです。

>医療・年金・子育て・介護など、社会保障全般を見直し、国民の皆様に安心していただける社会保障制度を確立します。その際、今の時代にあった社会保障へと転換し、多様な人生の在り方、多様な人生の選択肢を実現できる柔軟な制度設計を行います。人口減少時代を踏まえ、意欲のある高齢者、女性、障害者などの就労を促進し、誰もが年齢に関わらず能力や個性を最大限生かせる社会を目指します。

ただ「見直す」と言って、美辞麗句を並べているだけ。おそらく本人も何をやりたいか・何をやるべきか、まったくわかっておらず官僚が書いたペーパーをそのまま呼んでいるのではないでしょうか

(過日に発表した維新の社会保障制度改革案)

年金の財政検証が行われ、健保連から高齢者の窓口負担3割化などが提言されている今こそ、総理や与党が社会保障制度改革の具体案を示すべきですが、その責任から逃げていると指摘せざるを得ません。