ストーン・ヘンジという名称を聞けば、誰しもイギリスの環状列石(ストーンサークル)を思い浮かべるだろう。近年になっても、この遺物にまつわる話題は尽きておらず、その起源・建造についての新たな見地がもたらされたり、環境活動家によってペンキが巻かれるといった被害を受けたりと、良くも悪くも注目の的となっている。
ストーン・ヘンジはその知名度の高さから、「ヘンジ」(hencg)がモニュメントの一群を指す用語としても流通するようになり、イギリス国外各所において発見される同様の遺物や建造物にその名を模して呼ばれるケースも少なくはない。
2年に1度だけマンハッタンの道路網と夕陽が一直線になるという「マンハッタン・ヘンジ」、イギリスのノリッジ沖合の海底にある「シー・ヘンジ」、この他、エジプトのヌビア砂漠やアラビア半島のサウジアラビア、果ては月面にまで「ストーン・ヘンジ」のような遺跡が残されていると言われている。
ブラジルのアマパー州カルソーイニ、ここにもとある巨石群が存在している。付近を流れる川の名に因み「ヘゴ・グランジ」と呼ばれているその巨石群は、通称「アマゾンのストーン・ヘンジ」と呼ばれる遺跡であり、127個の花崗岩のブロックが環状に配置されている、まさしくストーンサークルと呼べる遺跡だ。
各ブロックの高さは4メートルにも及んでおり、その重量や形状はまちまちとなっている。信仰あるいは天文観測のために利用されていたと考えられており、太陽の最も低くなる冬至点に一致するような配置が見受けられているという。
このヘゴ・グランジは、19世紀の後半に博物学者エミール・ゲルディによって初めて発見されたと言われている。しかし、その後しばらくは本格的な調査がなされておらず、現在の管理人であるライルソン・カミロ・ダ・シウバは1960年代、イノシシ猟の最中にその遺跡を発見しており、90年代に一体の木を伐採している最中に再度遺跡を発見したのだという。
ヘゴ・グランジは、今からおよそ1000年前に建造されたものであるとされているが、ヨーロッパ人におけるアメリカ大陸への征服・入植よりも5世紀も前にそのようなものがアマゾンの地で創られていたということは、大きな衝撃を与えた。なぜなら、ヨーロッパ人が入ってくる以前には、アマゾンにそのような文明は存在しなかったと考えられていたからだ。
この巨石群で使用されている花崗岩は、3キロメートルほどの川下に切り出されたと思われる花崗岩地帯が発見されていることから、ここから運ばれてきた可能性が高いという。ミナス・ジェライス連邦大学の考古学者マリアナ・カブラルによると、2005年から調査を開始した過程で陶磁器製の骨壺を発掘しており、この一帯が墓地であったと推測しているという。
アマゾンには、四大文明を凌駕するほどの大規模な文明が栄えていたのではないかという説は、実際に存在している。その広大な道路網の建造や計画農業が実施されていたと考えられている「古代モホス文明」はその最たるものであり、数千年前からはじまり1200年前後には滅亡したと考えられている。このヘゴ・グランジも、そのような古代のアマゾンに存在していた高度な文明の名残であるのかもしれない。
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文=ナオキ・コムロ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
提供元・TOCANA
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