ライバルとは一線を画すコンパクトなスタイリング

スズキのGSX-S1000GXのスタイリング
GSX-S1000GX(メタリックトリトンブルー)

試乗会の丸2日、ワインディングから、市街地。高速道路まで色々走って気に入ったのは、他社の直4エンジン&長脚17インチモデルに比べて車格が随分コンパクトなことだ。ホイールベースで言えば1470㎜。BMWのS1000XRやカワサキのヴェルシス1000といったライバルたちの1500㎜超のホイールベースに比べるとこの数値はかなりコンパクトに感じる。おかげで取り回しもしやすく、乗った印象もアドベンチャーバイク族というよりは、ロードスポーツモデルのGSX-Sシリーズのそれに近いサイズ感だ。

<SPEC>
●全長/全幅/全高:2,150mm/925mm/1,350mm
●装備重量:232kg
●ホイールベース:1,470mm
●シート高:845mm
●エンジン型式:水冷4サイクル並列4気筒DOHC 4バルブ
●総排気量:999cm³
●最高出力:112kW〈152PS〉/11,000rpm
●最大トルク:106N・m/9,250rpm
●燃料消費率 (WMTCモード値):16.1km/ℓ(1名乗車時)
●燃料タンク容量:19ℓ
●ブレーキ形式:前ディスク、後ディスク
●タイヤサイズ(前/後):120/70ZR17 / 190/50ZR17
●ボディカラー:メタリックトリトンブルー、パールマットシャドーグリーン、グラススパークルブラック
●価格:国内導入未定
※諸元はすべて欧州仕様で、最高出力/最大トルクの数値が国内モデルのGSX-Sシリーズとは異なっているが、エンジンの仕様は全く一緒。

GSX-S1000GXの足着き

シート高は845mmとGSX-S1000GTから35㎜ほどアップしておりやや高めで、僕の体格だと両脚の踵が3cmほど浮いた。ライディングポジションはGSX-S1000GTとVストローム1050の中間とされ、上体が起きるネイキッドに近いポジションが設定されている。

オプションには座面が15㎜低いローシートも用意されている。このローシートはGSX-S1000GTのSTDシートそのまんまとのことで実際に試してみると数値通り-15mm分しっかり足つきがよくなるうえに、ライディングに関しても違和感がない。走っているうちにローシートであることを忘れてしまうほど具合がよかった。

スズキ・GSX-S1000GXのオプションパーツのローシート
奥が標準仕様のシートで手前が-15mmのローシート。足つきがよくなりライディングへの弊害も少ないので日本仕様にはローシートの標準装着をお願いしたい