またホンダは、2050年にホンダの関わるすべての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルを目指している。その実現に向け、四輪車においては2040年までにEV・FCEV販売比率をグローバルで100%とする目標を掲げ、電動化に取り組んでいる。
Honda 0シリーズは、グローバルブランドスローガンや電動化方針のもと、大きく変革するホンダを象徴するEVシリーズ。新たなEVシリーズの開発にあたり、「ホンダのクルマづくりの出発点に立ち返り、ゼロからまったく新しいEVを創造していく」という決意が込められている。
ホンダがクルマづくりで大切にしてきた理念である「M・M思想 ※1」と「操る喜び」、そして「自由な移動の喜び」をさらなる高みへと進化させることを目指す。ホンダはその第1弾となるモデルを、2026年より北米市場を皮切りに、日本、アジア、欧州、アフリカ・中東、南米と、グローバル各地域へ投入していく。 ※1 マン・マキシマム/メカ・ミニマム思想。人間のためのスペースは最大に、機械のためのスペースは最小限にして、クルマのスペース効率を高めようとする、ホンダのクルマづくりの基本的な考え方。
◆Honda 0シリーズについて
・「0」に込めた思い
1.ホンダの歴史:原点・出発点の「ゼロ」
「M・M思想」と「操る喜び」、そして「自由な移動の喜び」といった、これまで大切にしてきた今後も変わることのないホンダの原点に立ち返り、次世代のホンダとして新たな起点をつくる
2.グローバルブランドスローガンの実践:「ゼロ」から創った価値で人の心を動かす
グローバルブランドスローガン「The Power of Dreams——How we move you.」のもと、常に「夢」を動機に、ゼロからの独創的な発想で新価値創造に取り組むことで、お客様にとっても新たな起点となる体験を提供し、人を動かし、心を動かしていく
3.社会に向けた取り組み:「ゼロ」への決意
企業活動を含めたライフサイクルでの「環境負荷ゼロ」、ホンダの二輪・四輪が関与する「交通事故死者ゼロ」の達成に向けた決意
・EV開発アプローチ「Thin, Light, and Wise」と5つのコアバリュー
Honda 0シリーズの開発にあたり、「これからの時代にホンダが創りたいEVとは何か」を原点から見つめ直したという。長い航続距離を確保するためのバッテリー搭載量の増加や、それを搭載するための車体やプラットフォームの大型化などによる、”厚くて重い” EVという制約から解放し、新たなEVの価値を創造することを目指す。この新たなEV開発アプローチを「Thin, Light, and Wise (薄い、軽い、賢い)」と表現している。
Thin:フロア高を抑えた”薄い”EV専用プラットフォームにより、低全高のスタイルなどデザインの可能性を拡張するとともに、高い空力性能を実現していく。 Light:原点に立ち返って生み出した独自技術で、これまでのEVの定説を覆す軽快な走りと電費性能を実現していく。 Wise:これまで培ってきた知見と知能化技術の進化により、クルマそのものが賢くなる、Honda独自のソフトウェアデファインドモビリティを実現していく。
この開発アプローチのもと、専用に開発したアーキテクチャーを軸に「①共鳴を呼ぶ芸術的なデザイン」「②安全・安心のAD/ADAS」「③IoT・コネクテッドによる新たな空間価値」「④人車一体の操る喜び」「⑤高い電費性能」という5つのコアバリューを提供していく。
5つのコアバリュー
①共鳴を呼ぶ芸術的なデザイン
デザインコンセプトは「The Art of Resonance (ジ アート オブ レゾナンス)」です。「環境、社会、ユーザーとの共鳴」をテーマに、見る者の共鳴を呼び起こし、暮らしの可能性を拡げるサステナブルなモビリティを提供します。
②安全・安心のAD/ADAS
ホンダは2021年に自動運転レベル3:条件付自動運転車 (限定領域)に適合する先進技術を有する「Honda SENSING Elite (ホンダ センシング エリート)」を搭載した「LEGEND (レジェンド)」を発売、自動運転レベル3を実用化した。
ここで培った技術を世界中の顧客に届けるため、Honda 0シリーズではHonda SENSING Eliteの技術を活用したADAS(先進運転支援システム)の採用に加え、2020年代後半にはAD(自動運転システム)を採用、より多くの顧客が手の届く自動運転車として展開していく。
この自動運転システムは「人間中心」という哲学のもと培ったホンダの安全思想をベースに、AI、センシング、認識判断、ドライバーモニターといった知能化技術の進化により、人の感性に近い、自然で高精度な危険予測を可能とし、安全・安心な自動運転の実現を目指すもの。これにより、高速道路における自動運転領域を拡大するとともに、現在、高速道路のみで使用可能なハンズオフ機能を、一般道でも一部利用可能とすることを目指して開発を進めている。
③IoT・コネクテッドによる新たな空間価値
ホンダ独自のビークルOSを軸とするIoT・コネクテッド技術により「運転して楽しい、使って楽しい、繋がって楽しい」という価値の提供を目指す。AIやビッグデータの活用により、音楽などのユーザーの好みや運転中の行動傾向をクルマが学習し、さまざまな提案を。
さらに、下車後から目的地までのラストワンマイルもクルマが周辺情報や経路を教えてくれるなど、ユーザーの気持ちを理解するかのような価値を提案。使えば使うほどクルマとユーザーが親密になり、生活のさまざまな場面において「繋がる楽しさ」を提供する。
④人車一体の操る喜び
ホンダ独自の電動化技術とダイナミクス技術により、軽快で、⼼も⾝体もクルマと⼀体になる⾼揚感を得られる次世代の操る喜びの提供を目指す。また、Honda 0シリーズの低全高のスタイルに、モータースポーツで鍛え上げた空力技術を惜しみなく投入することで、空力性能、ダイナミクス性能、デザインを高次元で融合させていく。
⑤高い電費性能
ハイブリッド車の開発などで培った電動化技術をベースにエネルギー効率を突き詰め、高い電費性能を実現していく。具体的には、電気変換効率やパッケージングに優れた「e-Axle (イーアクスル) *2」、軽量で高密度なバッテリーパック、高い空力性能により、バッテリー搭載量を最小限にしながら充分な航続距離を目指す。
また、EVの普及において課題となる「充電時間」や「バッテリー劣化」への不安に対しても、ストレスフリーな充電性能と、長年使用しても性能劣化が少ない安心のバッテリー性能を提供。20年代後半に投入するHonda 0シリーズモデルでは、15%~80%急速充電時間を10~15分程度に短縮、100万台を超えるリチウムイオン電池搭載車の膨大な走行データをベースに培ったバッテリーシステム制御技術により、使用開始から10年後のバッテリー劣化率は10%以下を目指す。 *2 モーター、インバータ、ギヤボックスにより電力から動力へのエネルギー変換を担うシステム
・Honda 0シリーズを象徴するコンセプトモデル「SALOON」「SPACE-HUB」
<SALOON>
Thin, Light, and Wiseを体現する、Honda 0シリーズのフラッグシップコンセプトモデル。EV専用アーキテクチャーにより、デザインの自由度を拡張し、EV時代においてM・M思想を昇華させた。ひと目見てほかとの違いを感じさせる低全高でスポーティーなスタイルは、その魅惑的なデザインだけではなく、外観からは想像できないほどの広い室内空間も両立した。
また、インパネはシンプルで直感的な操作が可能なHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)を採用し、洗練されたシームレスなUI(ユーザー・インターフェース)を実現した。このような爽快な視界と、直感的な操作が可能なUIにより、ドライバーの感性に共鳴する楽しいドライビング体験の提供を目指す。
さらに、ステア・バイ・ワイヤの採用に加え、ホンダ独自のロボティクス技術で培った姿勢制御などのモーションマネジメントシステムをさらに進化させることで、さまざまな走行シーンにおいてドライバーの思い通りのコントロールの実現を目指し、0シリーズのフラッグシップとして、EV時代における究極の「操る喜び」を追求した。また、内外装にサステナブルマテリアルを採用するなど、ユーザーや環境との共鳴を呼ぶ、独創的なモデルを目指す。
<SPACE-HUB>
Honda 0シリーズ共通のデザイン言語のもと、「人々の暮らしの拡張」を提供することをテーマに開発したモビリティ。Thin, Light, and Wiseの開発アプローチにより、広々とした空間と見晴らしの良い視界を実現し、「ユーザーの『やりたい』に即座に応えるフレキシブルな空間を備えるSPACE-HUBが、人と人、人と社会をつなぐハブとなり共鳴を生み出す」という思いを込めている。
・新「Hマーク」について
現在のHマークは1981年に改定されて以降、その歴史を重ねてきた。今回、次世代のEVを新たに開発するにあたり、ホンダ四輪車の象徴であるHマークを新たにデザインすることで、変革への思いを示すとともに、原点を超え、挑戦と進化を絶えず追い求めるホンダの企業姿勢を表現したという。
また、両手を広げたようなデザインは、モビリティの可能性を拡張し、ユーザーに向き合う姿勢も表現。この新たなHマークは、Honda 0シリーズを含むホンダの次世代EVに採用される。
文・CARSMEET web編集部/提供元・CARSMEET WEB
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