昔はどうだった?
筆者は昭和世代の人間なので、インターネットもケータイもなかった時代に青春時代~青年時代を過ごした。
サブスクに1万円も使っている現状を憂い、昔は100%利用していないこともあるサービスに毎月お金を払うような時代では当然なかったよなあ、と思ったのだが、果たしてそうだったのか、と疑問もわいてきた。
ということで、かつての青年時代を振り返って、サブスク的な支払い、そしてコンテンツへの支払いについて思い出してみた。
【サブスク的な支払い】
新聞
昭和時代のサブスクの代表は新聞だろう。筆者は転勤が多かったので、住居をたびたび変わっているが、引っ越しした新居の最初の訪問者は、新聞の勧誘員だった。
洗剤とか野球観戦のチケットとかを持ってやってくるアレである。関西人である筆者は、この勧誘員との契約交渉を楽しみにしていて、食器乾燥機とかオーブントースターとかをつけてもらったものだ。一番豪華な景品は自転車だったなあ。
さて、新聞は朝夕刊両方を契約していたが、月額は2800円だった。
固定電話
昭和のサブスク代表の二番手は固定電話だ。一人暮らしだった青年時代、平日は朝から晩まで仕事、休日はどこかに出かけているということが多かったので、ほとんど使う機会はなかった。
だが、それでも緊急の連絡があるかもしれないということで、固定電話は引いていた。
月額基本料は1800円。市内通話は3分10円。ただし電話を引くための初期費用は7万円ぐらいかかった。
そんなに電話をかけるほうではなかったが、通話料は月額2500円ぐらいは払っていたように記憶している。
あれれ?
新聞と電話代で毎月5300円も払ってたのか!ちょっとびっくりしたぞ。
【コンテンツ的な支払い】
では、今、毎月の支払いの主要なサービスであるコンテンツ的なものはどうだったかを思い出してみよう。
本
筆者は小学生のころからの筋金入りの本好きだ。ハードカバーは高いので買わなかったが、文庫や新書で小説は良く買っていた。
文庫は400円前後、新書は600円前後だった。月平均、文庫2冊、新書1冊ぐらいは買っていたと思う。
それに加えて雑誌も定期購読しているものがけっこうあった。主に趣味の雑誌を3冊ぐらい買っていたが、1冊800円前後した。
書籍と雑誌を合わせると月額3800円ぐらいになっていた。
映画
映画は高級な娯楽だったし、いつも観たい映画があるわけではなかったので、映画館に足を運ぶことはあまりなかった。
しかし、冒頭でオンデマンド動画サービスに三つも入っていることからお分かりだと思うが、筆者は映画が大好きだ。
だから、レンタルビデオサービスをよく利用した。1本1泊2日で400円ぐらいしたが、月に4本ぐらいのペースで借りていた。月額にすると1600円だ。
レコード
レコードも高額な趣味だった。筆者が社会人になった1980年代、LPは1枚2800円だった。音楽鑑賞も大好きな趣味の一つなので、2カ月に1枚ぐらいは買っていた。月額にすると1400円。
LPをバンバン買うわけにはいかないけれど、聴きたい音楽はいっぱいあったので、レンタルレコード屋というサービスを使っていた。
だいたい1枚300円ぐらいで借りることができたので、これをカセットテープに録音して音楽を楽しんでいた。毎月、5枚ぐらいは借りていたと思う。
カセットテープが1本500円ぐらいだったので、月額にすると・・・え?4000円!!
ここまでの金額を合計すると・・・・1万6000円!!
1980年代当時の1万6000円を現代の価値に換算すると2万円ぐらいになる。なんと、今の倍の金額を20代の若造である自分は払っていたのか!
■結論!いい時代に生きているのだ
なんでもかんでもサブスクで払え!という時代。昔は買い切りでよかったなぁと思っていたが、いやいや、昔の方がお金を使っていたとは思わなかった。
新聞は昨日の情報だし、電話は持ち歩けないし、本は欲しい本が店になければ取り寄せるのに1週間以上かかったし、映画もレコードもレンタル店に足を運ばなければならず、人気の作品がリリースしたての頃は何度行っても「貸し出し中」で借りられなかった。
そんな不便で不自由な時代に、今の2倍のお金を払っていたのだ。
それが、ニュースは無料で読み放題、電話はどこでも持ち歩けて、ネット電話なら日本中どこにかけてもタダ、本も映画も音楽も家に居ながら好きな作品をいつでも楽しめる。
それが、昔の半額で!
なんだかんだと言っても、ぼくたちは今、とんでもなくいい時代に生きているのだ。それを改めて実感することができた、今昔比較になった。
よし!
Apple TV+も追加で契約するか!(爆)(3Dデザイナーズスクール https://3dschool.jp/ 学長・西脇 功)
■Profile
西脇 功
3Dデザイナーズスクール学長。製薬会社勤務を経て、1987年にApple社のMacintoshに出会いコンピュータ業界へと転進。IT系企業数社でコンテンツマーケティング、広報・宣伝のプロとして活動。製品導入事例の執筆、オウンドメディアのWebサイト立ち上げからコンテンツ作成までを一人で担当。2020年独立し、合同会社天使の時間を設立。3D
提供元・BCN+R
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