デジタル肖像権は、以前から米国をはじめ世界で注目されていたトピックだ。去年には、ハリウッド俳優らが所属する労働組合SAG-AFTRAが映像作品でのAI利用や報酬の引き上げなどを巡って大規模なストライキを実施。
今年9月にはカリフォルニア州知事がSAG-AFTRAを訪問し、AIで俳優やパフォーマーの声や肖像をデジタル複製する場合に同意を得ることを義務付けるといった、デジタル肖像権を保護する2つの法案に署名した(参考)。
このようにデジタル肖像権の保護への関心が高まるエンタメ業界において、Lotiは大きな価値をもたらしそうだ。
665万ドルのシード資金を調達
Loti AIは2022年に設立された、米国ワシントン州シアトルを拠点とするスタートアップ。無許可コンテンツを検出、特定、削除する「Loti Watchtower」と、契約条件にもとづいて無許可配信を排除する「Loti Enforce」を提供している。
現在、Loti AIは大手タレントエージェンシーWMEやそのほか大手エージェンシーと戦略的パートナーシップを結んでおり、世界のセレブと直接連携して彼らのデジタルプレゼンス(オンライン上での認知度や存在感)を確保している。
今年9月末には、シード資金としてKhosla Venturesから追加投資を確保したと発表。この新たな投資により、調達した資金の総額は665万ドルにのぼった。
なお、シードラウンドはテクノロジー分野への投資を行うベンチャーキャピタルのFUSEとBling Capitalが主導したもので、K5 Tokyo Black、Ensemble、AlphaEdisonも参加した。