ジープがブランド初のフルエレクトリックSUV「アベンジャー」を日本で発売。車種展開は通常モデルの「アルティテュード」のほか、日本導入記念モデルの特別限定車「ローンチエディション」を設定。一充電走行距離はWLTCモードで486kmを実現
Stellantisジャパンは2024年9月26日、Jeepブランド初の電気自動車「アベンジャー(Avenger)」を発売した。車種展開としては通常モデルの「アルティテュード(Altitude)」のほか、日本導入記念モデルの150台限定車「ローンチエディション(Launch Edition)」を設定する。
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車両価格は以下の通り。
アベンジャー アルティテュード:580万円
アベンジャー ローンチエディション:595万円
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注目のパワートレインは、最高出力115kW(156ps)/ 4070~7500rpm、最大トルク270Nm/500~4060rpmを発生するフロントモーターに、総電力量54.06kWh/総電圧375Vのリチウムイオンバッテリーを組み合わせて前輪を駆動。減速時および制動時に車両の慣性エネルギーを電気エネルギーに変換する回生ブレーキシステムを組み込み、一充電走行距離はWLTCモードで486km、交流電力量消費率は同モードで127Wh/kmを実現する。充電に関しては、AC普通充電(約5mの200V対応普通充電ケーブル付)とCHAdeMO方式のDC急速充電に対応させた。
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Jeepを名乗るモデルらしく、オフロードにおける高い走行性能を確保したこともトピック。泥や雪、砂地など様々な路面状況に適した6種の走行モード(ノーマル/エコ/スポーツ/スノー/マッド/サンド)を設定するセレクテレイン(SELECT TERRAIN)システムや、急な下り坂でもスピードを一定に保つヒルディセントコントロール(HILL DESCENT CONTROL)などを装備する。また、車両下部に設置したリチウムイオンバッテリーは200万km以上に渡って入念なテストが実施され、オフロード走行時は下からの衝撃をアンダーボディのスキッドプレートによって保護する仕組みとした。
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先進安全運転支援システムの拡充を図ったことも訴求点。前走車に追従するアダプティブクルーズコントロール(STOP&GO機能付)や、アダプティブクルーズコントロールを作動させて走行しているときにドライバーが任意に設定した車線内の位置を維持して走行するレーンポジショニングアシスト、歩行者およびサイクリストとの衝突回避をサポートする衝突被害軽減ブレーキ、レーンキーピングアシスト、ドライバーアテンションアラート、ブラインドスポットモニター、トラフィックサインレコグニション、フロント/リア/サイドパーキングセンサーなどを標準で組み込んでいる。
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エクステリアはクラス最高レベルの最低地上高とブレークオーバーアングルおよびアプローチアングルを備えたうえで、精悍かつスタイリッシュなルックスを創出。また、フロントバンパースポイラーや前後ウィンドウガラス、ルーフレール部分、リアゲートの内側パネルなど、様々な場所に遊び心あふれるアイコン=隠れキャラクターを装飾した。各部のデザインにもこだわり、フロント部は伝統の“7スロットグリル”を配したうえでヘッドランプよりも前面に配置し、万が一の衝撃からヘッドランプを保護。一方でサイドビューは、盛り上がったフェンダーやブラックのルーフレール、ボディ同色のグリップ式ドアハンドルなどを採用して、堂々とした存在感と上質感を演出する。足もとには新デザインの17インチアルミホイールと215/60R17 3シーズンタイヤを組み込んだ。そしてリアセクションは、ジェリー缶のデザインからインスパイアされた“X”のシグネチャーライトや厚みのあるバンパーなどを配備して、個性的かつ力強い後ろ姿を具現化する。ボディカラーはサンメタリック、スノーC/C、ボルケーノC/C、グラナイトメタリックの4色をラインアップ。ボディサイズは全長4105×全幅1775×全高1595mm/ホイールベース2560mmに設定している。
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“Design to function(機能性を考慮したデザイン)”をテーマに据えたブラック基調のインテリアは、モダンで上質なデザインを採用しつつ、コンパクトでありながら広々とした室内空間と豊富な収納スペースを実現する。キャビンの収納スペースは、ダッシュボード下部、大型センターコンソールおよびドアポケットなど、計約26リットルのスペースを有し、合わせて大型センターコンソール内の仕切りは取り外して使用することも可能。一方でラゲッジルームは、後席使用時で355リットルの容量を確保する。リアバンパー付近に足を入れるとトランクゲートが開くハンズフリーパワーリフトゲートも配備した。また、機能装備にはApple CarPlay/Android Auto対応の10.25インチタッチパネルモニター付UconnectやEVIC(エレクトロニック・ビークル・インフォメーション・センター)、ワイヤレスチャージングパッド、プリコンディショニング機能付きオートエアコンなど最新のテクノロジーを採用したアイテムを鋭意導入。「ジープ・モバイル・アプリ」を使用し、車の位置を特定、リモートでドアのロックやアンロック、バッテリー残量の確認などが可能なコネクティッド機能も採用する。一方、シートにはレザー表皮を張り、運転席には6ウェイパワーシート(アクティブランバーサポート機能付き)および2ウェイランバーサポートとシートヒーターを、助手席には6ウェイマニュアル調整機構とシートヒーターを、後席には40:60分割可倒機構を組み込んだ。
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デザインアクセントとして映える専用アクセサリーを設定したことも注目ポイント。“X”をカモフラージュデザインに仕立てた“X-camo”デザインのサイドミラーカバー、インテリアミラーカバー、センターコンソールカバー、プレミアムフロアマットや、荷物積載時の利便性を高めるリバーシブルカーゴトレイ、“AVENGER”ロゴ入りドアシルガードなどを用意している。
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最後に、日本導入記念モデルの「ローンチエディション」の概要を紹介しよう。
ボディカラーには専用アレンジのサンメタリック+ブラックペイントルーフを採用。また、スタイルパック(フロント/リアLEDドームランプ、パワーサンルーフ、18インチアルミホイール+215/55R18 3シーズンタイヤ)やイエローダッシュボードを標準で装備する。さらに、実物を忠実に再現した1/43サイズのダイキャストモデルも設定した。
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なお、アベンジャーの成約者には全国の充電スポットで使える「Jeep Chargingカード」を先着500名にプレゼント。カード発行料手数料に加え、普通・急速充電が使える月額会員料金および月180分相当の充電料金を6カ月間無償で提供するという。
文・大貫直次郎/提供元・CAR and DRIVER
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