パリ五輪でU23日本代表と対戦したイスラエル代表。パレスチナ問題・ガザ地区での紛争を巡る国際サッカー連盟(FIFA)からの追放処分をひとまず免れたとはいえ、今後MFネタ・ラヴィ(ガンバ大阪)など代表選手への影響が出る可能性もあるという。
イスラエル代表を巡っては、2024年5月に開催されたFIFA総会でパレスチナサッカー協会(PFA)が同国代表の国際大会追放にむけて他国に呼びかけ。FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、PFAからのイスラエル代表追放処分を求める声に対して、7月開催のFIFA評議会で決定を下す方針を打ち出していたが、パリ五輪開幕までに決着がつかず。イスラエル代表は同大会で日本、マリ、パラグアイと対戦した。
英紙『ガーディアン』など複数メディアの報道によると、FIFAは10月3日の委員会でイスラエル代表に対する処分の見送りを決定。「FIFAはこの非常にデリケートな問題に関して十分な注意を払い、徹底的な評価に基づき、外部専門家の助言に従った」とした一方で、PFA関係者が主張する差別行為の可能性について引き続き調査するとのこと。ネタ・ラヴィなどイスラエル人選手が国際大会から締め出される可能性は、依然として残っているようだ。
今回のFIFAの決定により、イスラエルA代表が10月中にUEFAネーションズリーグから除外される可能性は消滅。予定通りフランス代表、イタリア代表と対戦する。ただFIFAの処分保留という決定に対しては、「ロシア代表に追放処分を科すのには4日しかかからなかったのに…」「ロシア代表との違いはどこにあるのか」といった異論も湧き起こっている。
FIFAは2022年、ロシアのウクライナ侵攻を受けて同国代表をFIFAワールドカップ・カタール大会欧州予選プレーオフから追放。ロシア国内クラブもUEFAチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグなどから締め出していただけに、イスラエル代表を巡る問題でさらなる説明が求められそうだ。