19世紀から20世紀初頭にかけて、イギリス陸軍の中佐を務め、また探検家としても活躍したパーシー・フォーセット。彼は多くの不可解な生物の目撃など知られており、60メートルの巨大アナコンダ、生き残った恐竜を目撃したという目撃や体験を多数報告している。

 アマゾンのジャングルの中に文明の遺産が眠っているという伝説にひどく傾倒し、その「失われた都市Z」を求めて旅立ったまま行方不明になったと言われており、この逸話がのちに『ミドルトン探検隊』という都市伝説のモデルにもなったと言われている。

 そんな彼の発見したものの一つに、「マリコクシ」(マリコキシ)と呼ばれるものがある。マリコクシとは、フォーセットがアマゾンで遭遇した類人猿もしくは部族と言われている。フォーセットによれば「犬のように毛深」く、村に住み、道具を使うことができたのだという。

 1914年のこと、彼がアマゾンをマッピングしていると毛むくじゃらの生き物が洞穴(壕)から現れたのだという。その存在は「Eugh!Eugh!Eugh!」という唸り声を発するばかりで、友好的な言葉で会話を試みるも言葉が通じない様子であった。

 何度か弓を引いては下ろして彼を観察する素振りを見せていたが、ついに本気で攻撃を仕掛けてくると察したフォーセットは持っていたピストルで相手の足元に発砲、向こうは驚いてあっという間に弓を放り出し逃げて行った。彼はさらに数度発砲して様子を見たが、そこからアクションが来ることは無く引き返したが、先ほど聞いた唸り声がかすかに聞こえてきたという。

 このいわゆるマリコクシ族については、それは未知の生物、獣人UMAではないかと捉えられる場合もある。その名称については、近隣に住む部族がそう呼んでいたことに由来するという。しかし、単なる未発見の部族だったとの見解もあり、そのことからフォーセットのこの報告は、南米で暮らす原住民の人種差別的な振る舞いを表すものだとの反論もあるという。

「失われた都市Z」を求めて消えた探検家が遭遇した南米アマゾンの獣人「マリコクシ」
(画像=イメージ画像 Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)

 南米には、この他にも獣人的な存在の目撃がいくつかある。例えば、1533年にスペイン人入植者によって初めて報告がなされ、現在までに幾度も目撃されているという「モノグランデ」、ブラジルのビッグフットの異名と持つ類人猿型乳類で、大きいものでは5メートルもあると言われる「マピングアリ」などがあげられる。「マリコクシ」という語は、実のところこのモノグランデやマピングアリといった南米の獣人の総称として用いられている節がある。

 余談だが、彼がのちに行方不明になったことの原因に、このマリコクシの襲撃にあったのではないかとする説もあるようだ。獣人UMAであるのか、はたまた未発見の部族であったのか、それは現在も不明のままである。

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文=黒蠍けいすけ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

提供元・TOCANA

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