ただ精神状態は徐々に安定し、術後から1週間後には泌尿器科に戻り性器の回復治療を受けました。

男性の性器にはいくつかの合併症(亀頭の皮膚組織の部分的な壊死)が生じましたが、時間の経過とともに治癒しています。

驚くべきことに、男性は術後3カ月には勃起機能をある程度回復させ、通常通り排尿もできるようになったとのことです。

しかし今回の症例は、幻覚剤の個人的な乱用が悲惨な事故につながりかねないことをまざまざと思い起こさせます。

マジックマッシュルームの摂取で自らの性器を切断したケースは初めてではありますが、幻覚症状は人をここまで狂気に走らせることがあり得るのです。

マジックマッシュルームに含まれるシロシビンのような麻薬成分は医療目的に正しく用いれば、私たちの味方になってくれますが、個人的な利用はくれぐれもやめるべきです。

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参考文献

Man amputates penis with an axe after consuming psilocybin mushrooms
https://www.psypost.org/man-amputates-penis-with-an-axe-after-consuming-psilocybin-mushrooms/

元論文

Penile Replantation after Self-Amputation Following Psilocybin-Induced Drug Psychosis(PDF)
https://megajournalofsurgery.com/wp-content/uploads/2024/09/MJS-79-2016.pdf

※切断部分や手術の写真などが含まれます。閲覧にはご注意ください。

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。