「1年目でメンタル疾患になって、会社を辞めてしまう。次の会社でうまくいけばいいのですが、一旦メンタルを病むと、なかなか簡単には治りません。なぜそんなことになってしまうのか?それは、レジリエンス力が低いからです。レジリエンス力が低ければ、社会人として生きていくことは困難です」(同)

レジリエンス力とは何か

例えば、性別で見ると、男性は劣等感が強く、過去の「失敗」や学歴を引きずってしまう傾向にあります。特に男性の場合、恋愛で失敗(失恋)すると、男としての能力が低いと見なされることがあり、劣等感が強い男性ほど、立ち直るのが難しくなります。

男性は、物事の「プロセス」よりも「結果」を重視するといわれており、仕事で失敗すると引きずってしまい、長期間落ち込んでしまいがちです。1つの結果がダメだったら、すべてが台無しと考えてしまうため、これでは物事に柔軟に対応することはできません。

一方、女性は、「プロセス」を重視する傾向にあり、過程における感情を揺さぶられる経験の方に意味を見いだします。仕事やプライベートで思うような結果を得られなくても、それらの過程で素晴らしい経験をすれば、必ずしも失敗だとは考えません。

なお、男性は女性よりも論理的に物事を考える傾向にあり、困難にぶつかったときに冷静に自分を見つめ直すことができれば、過去の失敗から学ぶことができます。人生において、失敗は誰にでもあることや、人生はいくらでもチャンスがあることを理解するのです。

いずれにしても、「悪い出来事に遭遇しても、気持ちをすぐに切り替える」「結果だけでなく、プロセスも大切にする」「論理的に物事を考える」の3つができるようになれば、レジリエンス力が高まるといえます。

自分の日々の思考パターンを見直し、悪い部分を改善してみてはいかがでしょうか。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)