もし、あなたが生きている世界が現実ではないとしたら、あなたはどう感じるだろうか。

 まるでSF映画『マトリックス』を連想する考えのように思えるかもしれないが、この「我々がコンピューター・シミュレーションの中で生きている」という仮説は昔から存在していたものであり、こちらの方が真実である可能性が高いとさえ言われているものだ。

 だが、この仮説が事実だったとして、証明するにはどうしたらいいのかという疑問が残る。これについて、ポーツマス大学の物理学准教授であるメルヴィン・ボプソ氏は「我々がシミュレーションの中で生きていることを証明する鍵は、聖書にある可能性がある」と述べている。

 例えば、ヨハネの福音書には次のような一節がある。

「初めに言葉があり、言葉は神とともにあり、言葉は神であった」

 ボプソ氏はここで言う”御言葉 “は実際にはシミュレーションを支配する根本的なコードであると主張している。

「シミュレーションを実行するコードは、神から切り離されたものではなく、むしろそシミュレーションと一体化した不可欠な一部なのです」

 そして彼は、聖書に記述されているような創造の行為は、プログラミングとシミュレーションという神の行為に類似している可能性を示唆。

「本当に驚くべきことは、与えられた解釈が現代の出来事、すなわちAIの出現と完全に一致していることであり、また、映画『マトリックス』が投影していたものとまったく同じであることです」とMail Online氏のインタビューに答えている。

 しかし現状では、聖書の一節が本当にシミュレーション仮説を伝えているとは言い切れないし、また我々が実際にコンピュータ・シミュレーションの中で生きていることを、一方的に確認する方法もない。この点についてポプソ氏は「シミュレーション宇宙仮説は宗教的信念と対立するものとして見るのではなく、補完的な視点を提供するものとして見ることができます」と補足している。

 果たして我々がシミュレーション仮説を確認できる日は来るのだろうか。

文=飯山俊樹(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

提供元・TOCANA

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