なんと核地雷の筐体の中に相当数のニワトリを生きたまま閉じ込めておくという驚愕のプランであった。ニワトリの体温で核地雷内部の温度を相応の高さに保つというアイデアである。餌も一緒に封入され、酸欠で死ぬまでにニワトリたちは1週間ほどは生きながらえている計算になったという。たった1週間ではあるが、厳寒期であっても1週間ほど起爆装置の操作が可能であれば、軍事作戦として成立するのである。
このようなかなりアナログな解決策でブルーピーコック作戦は現実味を帯びてきたのだが、しかし改めてその効力を分析してみるとプロジェクトチームは戦慄を覚えざるを得なかった。
アメリカの百科データベース「American Digest」によれば、ブルーピーコック作戦で設計された核地雷は、直径375フィートのクレーターを生成する10キロトンの爆発をもたらすと想定された。しかしこれほどまでに破壊的な核爆発を同盟国である西ドイツの国土で起こすことは、爆風による大量の放射性降下物を考慮に入れると、最終的には却下せざるを得なかったのだ。
核地雷・ブルーピーコックはプロトタイプが2つだけ製造されるにとどまり、実際には埋設されることなく、1958年にブルーピーコック作戦は中止された。
すべてが極秘プロジェクトだったブルーピーコック作戦だが、2004年4月1日に関連する文書の機密指定が解除された。ニワトリの体温を利用するというユニーク過ぎる軍事作戦だけに、イギリス国立公文書館の担当者はエイプルフールの冗談ではないことを付け加えなければならなかったという余談もある。冷戦の緊張感の中で考案された奇想天外なニワトリを使った軍事作戦には驚かされるばかりだ。
参考:「Business Insider」、ほか
※当記事は2020年の記事を再編集して掲載しています。
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提供元・TOCANA
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