XoMotionを装着するのは障害を抱えている人だが、XoMotionはリハビリを支援するセラピストをサポートするものだ。セラピストはリハビリ中、患者が転倒しないよう踏ん張って支えたり、動かない足を持ち上げたりと、文字通り患者の体を支える。

まさに力仕事だが、患者がXoMotionを使用することで介助者の身体への負荷が減り、患者のケアに集中できるようになるという。

サイモン・フレーザー大学発のテックがベース

Image Credits : Human in Motion Robotics

XoMotionはバンクーバーのサイモン・フレーザー大学で開発された自立型外骨格のプロトタイプを元に開発されたものだ。XoMotionの商業展開、そしてヘルスケア部門向けにロボットを活用した他のソリューションを開発するため、2016年に設立されたのがHMRである。カナダ・バンクーバーに本社を置き、韓国・ソウルにもオフィスを構えている。

同社は昨年、シリーズAラウンドにて約1,000万ドルの資金調達を実現。今回販売許可を得て、現在はカナダ国内のリハビリステーションや研究施設へXoMotionを提供している。また、ゆくゆくは一般向けにも提供する予定だ。

麻痺で意のままに動き回れないというのは、朝目が覚めてキッチンに行ってコーヒーをいれて飲む、訪問者を迎えるために玄関に行ってドアを開ける、といった日常のささいな行動も制限されるということだ。だがXoMotionを使用すれば、再び動く自由を手に入れることができる。その意義は障害を抱える人はもとより、家族にとっても大きいだろう。

(文・Mizoguchi)