ステランティス・ジャパンは2024年9月26日、ジープで初となるBセグメントの電気自動車SUV「アベンジャー」を発売した。またこのニューモデル発売記念として「アベンジャー ローンチ エディション」を150台限定で発売する。

ジープ アベンジャー ときめくジャスト・コンパクトサイズのEVジープがいい
(画像=発表会に登壇した打越晋ステランティス・ジャパン社長、『AUTO PROVE』より引用)

■モデル概要
アベンジャーは、ジープ初のBセグメントのコンパクトSUVで、従来のレネゲードのさらに下に位置するエントリー・モデルであり、同時にジープとして初の電気自動車である。

ジープ アベンジャー ときめくジャスト・コンパクトサイズのEVジープがいい
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

アベンジャーは2022年秋のパリ・モーターショーで発表され、ヨーロッパでは、その2022年秋から予約が開始され、2023年初頭に発売が開始されている。また2023年初頭に行なわれたヨーロッパ・カー・オブ・ジ・イヤーでは、フォルクスワーゲン ID BUZZ、日産アリアを抑えて賞を獲得した。

ヨーロッパ市場では電気自動車と1.2Lターボ・ガソリンエンジン、同エンジン+48Vマイルドハイブリッド仕様もラインアップされている。アベンジャーの人気は高く、2024年時点でEV,エンジン搭載モデルを合わせて累計10万台以上を販売した。

アベンジャーはステランティス・グループのポーランド・ティヒ工場で、フィアット 600、アルファロメオ ジュニアと同様に生産されている。この工場は最新の生産設備を導入しており、製造・組み立て精度も高いレベルにある。

ジープ アベンジャー ときめくジャスト・コンパクトサイズのEVジープがいい
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

プラットフォームは、コンパクトカー向けのSTLAスモールと呼ばれる最新タイプで、エンジン搭載モデルはCMP2、電気自動車はeCMP2を採用。開発は主としてイタリアで行なわれ、メイン・マーケットはヨーロッパとされているが、トルコ、モロッコ、日本、韓国でも販売される。

ジープ アベンジャー ときめくジャスト・コンパクトサイズのEVジープがいい
(画像=eCMP2プラットフォーム。バッテリーは前席下、後席下、センタートンネルの3ヶ所に搭載している、『AUTO PROVE』より引用)

ボディサイズは、全長4105mm、全幅1776mm、全高1596mm、ホイールベース2560mmで、最小回転半径は5.3m、最低地上高は200mm。Bセグメントのジャストサイズで、市街地でも取り回しが優れている。また車両重量は1570kgで、EVとしての軽量化も実現している。

ジープ アベンジャー ときめくジャスト・コンパクトサイズのEVジープがいい
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

EVモデルの駆動モーターは、日本電産(NIDEC)とステランティス・グループの合弁会社「EMotorsw」社製の最新式400Vモーターをフロントに搭載し、最高出力116kW(156ps)、最大トルク270Nmを発生する。これらのスペックはすでに発売されたフィアット600eと共通だ。

バッテリーは、フロントシート下、リヤシート下、センタートンネル部に搭載され、容量は54kWh。WLTCモードでの航続距離は488kmとなっている。

ジープ アベンジャー ときめくジャスト・コンパクトサイズのEVジープがいい
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

充電は、200V普通充電では最高6kWまで対応し、急速充電はCHAdeMO規格に適合されており、最高100kW充電まで対応している。

ジープ アベンジャー ときめくジャスト・コンパクトサイズのEVジープがいい
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

サスペンションはフロントがストラット式、リヤはトーションビーム式。ブレーキはフロントがベンチレーテッド、リヤがソリッド・ディスクを装備。タイヤは215/60R17、または215/55R18で、タイヤ外径は689mmと大径タイプとし、走破性能とデザイン的な存在感を強調している。なおEVモデルは前輪駆動のみで、48Vマイルドハイブリッド・モデルにAWDが設定されている。

ジープ アベンジャー ときめくジャスト・コンパクトサイズのEVジープがいい
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

駆動性能に関してはジープらしいこだわりを持って開発されている。ジープの前輪駆動車として初めて、「Selec-Terrain(セレクテレイン)」と「ヒルディセントコントロール」を標準装備している。

ジープ アベンジャー ときめくジャスト・コンパクトサイズのEVジープがいい
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

「Selec-Terrain」システムは、6つの走行モードから選択可能だ。 モードの特徴は以下のようになっている。

ノーマル:日常的なドライビングに適した走行モード
エコ:航続距離を延ばす走行モード
スポーツ:出力を高めてドライビングを楽しむ走行モード
スノー:凍結した道路やトレイルで最大限のトラクションを発揮する走行モード
マッド:ぬかるんだ路面でのグリップ力を高める走行モード
サンド:砂地で最大限のトラクションを発揮する走行モード

ジープ アベンジャー ときめくジャスト・コンパクトサイズのEVジープがいい
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

デザインは、ジープのデザインDNAを採用しながらモダンなクロスオーバーSUVであることを追求。フロントの「7スロットグリル」はヘッドランプよりも前面に配置され、万が一の衝撃からヘッドランプを保護する。

サイドの盛り上がったフェンダーと大型のブリスター部分は、力強い印象を与え、オンロードでもオフロードでも堂々とした存在感を示す。

ジープ アベンジャー ときめくジャスト・コンパクトサイズのEVジープがいい
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

リヤは、レネゲードと同様に、ジェリー缶のデザインからインスパイアされた「X」のシグネチャー・ライトを装備。この「X」をカモフラージュデザインに仕立てた「X-camo」は、アベンジャーのモチーフとして様々な部位に隠しデザインとして使用されている。

また、前後のオーバーハングは大幅に短くされ、アプローチ角、デパーチャー角も最大限に追求。アンダーフロアは完全にスキッドパネルでカバーされ、フラットにすることでラフロードでの走破性と空力性能を両立させている。

ボディカラーは、ジープ・ブランドとして新色の「サン」、「グラナイト」、「ボルケーノ」、「スノー」の4色が設定されている。

ジープ アベンジャー ときめくジャスト・コンパクトサイズのEVジープがいい
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

インテリアは、機能性重視のデザインとし、多くの収納スペースを備えている。ダッシュボード下部、大型センターコンソール、ドアポケットなど、計約26Lの収納スペースがあり、大型センターコンソール内の仕切りは、取り外すことができ調整が可能。ラゲッジスペースの容量は355Lだ。

装備では10.25インのオーディオナビゲーションシステムはApple CarPlay、Android Autoに対応可能。スマートフォンの「ジープ・モバイル・アプリ」を使用し、車両の位置を特定したり、リモートでドアのロックやアンロック、バッテリー残量の確認などが可能となっている。

ジープ アベンジャー ときめくジャスト・コンパクトサイズのEVジープがいい
(画像=『AUTO PROVE』より引用)
ジープ アベンジャー ときめくジャスト・コンパクトサイズのEVジープがいい
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

また運転支援システムは、アダプティブクルーズコントロール (STOP & GO機能付)、レーンポジショニングアシストを始め、最新システムを装備している。

なお、発売にあたり、成約者には、全国の充電スポットで使える「Jeep Charging カード」を先着500名にプレゼントされる。カード発行料手数料に加え、普通・急速充電が使える月額会員料金および月180分相当の充電料金が6か月間無償で提供される。また、アベンジャーの政府CEV補助金は65万円となっている。

■アベンジャー ローンチ エディション
発売を記念するアベンジャー ローンチ エディションは限定150台の販売となる。パワーサンルーフ、18インチ・アルミホイール、ブラックペイントルーフ、イエローダッシュボードの特別装備4点に加えて、本物を忠実に再現した1/43サイズのダイキャスト・ミニカーが付属し、総額約33万円相当の装備を持つ限定モデルとなっている。

ジープ アベンジャー ときめくジャスト・コンパクトサイズのEVジープがいい
(画像=『AUTO PROVE』より引用)
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(画像=『AUTO PROVE』より引用)
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(画像=『AUTO PROVE』より引用)

価格

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(画像=『AUTO PROVE』より引用)

提供・AUTO PROVE

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