私の近著『世界のニュースを日本人は何も知らない5』でも解説していますが、外国人は滞在国や訪問国の人の本音を読み取ることがなかなかできません。
外国かぶれをこじらせた人の中には、海外は日本よりも自由に意見が言えて非常に個人主義だということを頑なに信じている人たちがいます。
ところが海外で長く仕事をしているとこれは全く嘘であって、大きな落とし穴であることがよくわかります。
現地で育った人はその国の人々の本音を読み取ることができていますが、ただそれを部外者である外国人にはわざわざ言いません。
説明が面倒くさいし、相手の日本人の語学力が低すぎてお話にならないからです。
これを日本に置き換えてみましょう。
日本語が微妙なミャンマーやニカラグアの人に、京都の人の「ええ時計してはるわ。あなたにお似合いやわ〜」という「ご挨拶」の真意を説明できるかどうか。
いった人に対して悪い印象を与えてしまう可能性もありますし、その外国人の人には「あんた日本語レベルは低いで」と言ってしまうことになり人間関係が悪くなります。
実は私はこのような状況に遭遇したことがあります。
イギリス人と欧州大陸人の「本音」が詰まった言い方を中国大陸の成金の知り合いが理解しておらず、言葉どおりにとっていたので「いや、それは本当はこういう意味よ。気をつけてね。あの人らは本音ははっきり言わないのよ」と教えてあげたら
「え、そんなはずはないでしょ!だってあの人はこう言ってるよ。あなた何言ってるの??」
と返されてしまい非常に険悪な雰囲気になってしまいました。
案の定、彼もその妻もイギリス人や欧州大陸人の「いわんとすること」を全く理解しない人々で、40代ですが精神的には日本の中学生ぐらいの感じの素朴さというか単純さ、イギリスで就職活動したものの、有名大学の博士号と修士号に学士まであってイギリス在住20年近いのに数十社全滅、結局中国本土から持ち出した親や親戚のお金で不動産投資や成功しているとは言えない自営業をやって生活しているという有様です。