画面サイズ8インチ台のタブレットが便利だ。スマートフォン(スマホ)の大型化で、タブレットの勢力はかなり弱まった。大きめのスマホ1台あれば、たいてい何でもカバーできる? いやいや、スマホとタブレットでは得意分野も用途も異なる。スマホに加えて、小ぶりな8インチクラスのタブレットを持ち歩くと、すこぶる便利で快適だ。ここはひとつ世の中の流れに逆らって、8インチクラスのタブレットを強力にオススメしたい。

 情報閲覧用途では、スマホはなかなか厳しい。物理的に画面が小さいこともあるが、そもそもWebサイトなどでは、自動的にスマホ用のフォーマットになってしまい、情報量が極端に減ってしまうことが多いからだ。このスマホ用の「スカスカ」ページがどうにも我慢ならない。情報収集効率が圧倒的に悪くなる。BCNのコンシューマ向けサイト、BCN+Rも同様で、スマホで見ると、情報量がガクンと落ちる。一方、8インチクラスのタブレットで見ると、PCと同様の広々としたレイアウトになるため、ページ閲覧がとても楽だ。しかも縦長なので、もしかするとPCで見るより見やすいかもしれない。情報収集に限らず、オンラインショップでの買い物や旅行サイトの予約なども、圧倒的にタブレットの方が楽で早い。

激推し「8インチタブレット」、立って座って使い分け【道越一郎のカットエッジ】
(画像=BCN+Rのトップページをタブレットとスマホで表示してみた。
左が8.4インチタブレット、右が6.1インチスマホ。
タブレットの方が、はるかに情報量が豊富で一覧しやすい、『BCN+R』より 引用)

 YouTubeなどの動画サイトの閲覧に関しても、タブレットがいい。カフェなどで、スマホを横にしてのぞき込むように動画を閲覧している人をよく見かける。首が痛くなりそうで気の毒だ。大きさ最大級のiPhone 16 Pro Maxで6.9インチ。一昔前の、7インチクラスのタブレットと同じぐらいの大きさはあるが、それでも8インチ台のタブレットと比べればだいぶ小さい。スマホでは、動画を楽しむというより、動画を確認するという感じになってしまう。さらに、スマホ1台体制では、動画を流し見しながら、何かを調べたり、メールをチェックしたりといった作業は、とてもやりにくい。最近では、古いスマホと新しいスマホの2台体制で使っている人を時々見かける。しかし、せっかく2台持つのであれば、もう1台はタブレットにした方が圧倒的に使い勝手が良くなる。

 さて、タブレットのサイズは現在10~11インチ台が主流だ。BCNランキングを集計すると、ほぼ7割程度がこのクラス。スマホより、明らかに大きなこのクラスが人気なのはよく分かる。タブレット市場で覇権を握るiPadの主力サイズでもある。しかし、持ち運ぶ前提の用途としては、やはり8インチクラスをお勧めしたい。10インチ以上ともなると、出先で使うには大ぶりで大げさ。取り回しが少々厄介だ。比べて8インチクラスであれば、持ち運びも容易で、カフェでもさりげなく使うことができ、出先で使うにはちょうどいいサイズ感。ただし、これはあくまでも情報消費型の用途に限る話。文章を書いたりイラストを描いたり動画の編集をするとなれば、10インチクラスは最低限必要だろう。

 8インチクラスのタブレットは、LCCで海外旅行をするようなシーンでも活躍する。エコノミークラスのシートにはモニタ―も何もなく暇つぶしが大変だ。そんな時には、8インチクラスのタブレットで映画を観ればいい。あらかじめ見たい映画を何本かダウンロードしておいて、機内で見るわけだ。航空会社によっては、機内Wi-Fiでフライトマップなどの独自エンターテインメントを提供している場合もある。そんな、ちょっとしたコンテンツを見るにも、8インチクラスのタブレットはちょうどいい。

 では、スマホとタブレット、どのように使い分ければいいのか。ざっくりと分けると、立っているときはスマホ、座っているときはタブレット、という感じだ。スマホ最大の魅力は機動力。片手で持ち歩き操作もでき、ポケットにも入り電話にもなる。もちろん、インターネット環境の維持もお手のものだ。カメラとしても優れた性能を持つものが増えた。バーコードを使った決済やチケット表示の端末としても、とても優れている。立って使うならスマホは最適だ。一方、座っていて少々余裕がある場合にはタブレットがいい。広い画面で情報収集や予約なども楽。動画の閲覧も楽しい。LTEモデルなら、サブ回線用のSIMを入れて使うという手もある。スマホのテザリングでネットを利用してもいいだろう。

激推し「8インチタブレット」、立って座って使い分け【道越一郎のカットエッジ】
(画像=8.4インチタブレットに6.1インチスマホをケース付きで重ねてみた。
この程度のサイズ感なら、2台持ちでもなんとかなるだろう、『BCN+R』より 引用)

 8インチ台のタブレットは、日本ではアップルのiPad miniシリーズが一番人気だ。しかし高い。最新のiPad miniのアップルストア価格は、Wi-Fiモデル、ストレージ64GBで税込み8万円超。Wi-FiにLTE回線対応だと256GBモデルで軽く13万円を越えてくる。性能的には申し分ないのだが、ちょっとした情報閲覧用途のサブ機としては躊躇する価格帯だ。対して、このところにぎやかになってきたのが、8インチ台のAndroidタブレット。例えば、中国、ALLDOCUBEの「iPlay60mini Pro」は3万円弱。しかもアマゾンジャパンの公式ストアで時々提供される割引クーポンを適用すれば、6000円引きで買えたりもする。実質2万円半ばで手に入る。画面解像度は1920×1200とそこそこ。プロセッサはMediaTekの「Helio G99」を搭載して、こちらもそこそこの速さ。ストレージ128GB、メモリ8GBで、必要十分なスペックだ。

 他にも同様の価格帯とスペックで、HeadwolfやTECLASTなど、多くの中国メーカーが8インチ台のタブレットを販売している。有名どころでは、同じく中国のシャオミも、8月に8インチ台のタブレットを発売した。いずれも、高級品のiPad miniには性能面でかなわない。しかし、情報消費型の用途なら、価格を考えて、2万円前後で買える中華製のAndroidタブレットが最適ではないだろうか。スマホとタブレットの2台持ちだと、確かにちょっとかさばる感じはする。手ぶら派には厳しい。とはいえ、多くの人がなにがしかの鞄や小物入れは持ち歩いているだろう。それなら、持ち物に8インチクラスのタブレットを加えてみてはどうだろう。スマホ1台体制に比べ、出先でのネット利用の幅が広がり、はるかに楽しくなるだろう。(BCN・道越一郎)

提供元・BCN+R

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